ディヌ・リパッティとは? わかりやすく解説

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ディヌ・リパッティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/10 06:14 UTC 版)

ディヌ・リパッティ
Dinu Lipatti
基本情報
出生名 Constantin Lipatti
生誕 1917年3月19日
ルーマニア王国ブカレスト
死没 (1950-12-02) 1950年12月2日(33歳没)
スイスジュネーヴ郊外
学歴 ブカレスト国立音楽大学
ジャンル クラシック音楽
職業 ピアニスト、作曲家
担当楽器 ピアノ
レーベル EMI

ディヌ・リパッティ(Dinu Lipatti, [ˈdinu liˈpati] ( 音声ファイル), 1917年3月19日 - 1950年12月2日)は、ルーマニアピアニスト作曲家

経歴

1917年3月19日ブカレスト生まれ。父はテオドル・リパッティ (Theodor Lipatti)、母はアナ・ラコヴィチェアヌ(Ana Racoviceanu)。ディヌが生まれた時、父親は別の女性と結婚していた。両親が結婚したのは1921年。ディヌの名付け親はジョルジェ・エネスク

ブカレスト国立音楽大学にてフロリカ・ムジチェスクに師事

1934年-1939年パリ在住。パリのエコールノルマル音楽院アルフレッド・コルトーポール・デュカスに教えを受ける。

1939年から1943年にかけてローマウイーンベルリンブラチスラバソフィアでコンサート。

1943年に婚約者のマドレーヌ・カンタクジノ(Madeleine Cantacuzino)とストックホルムでのコンサートのためにルーマニアを離れる。以来二度と母国に戻らなかった。1944年からスイスに住んだ。

1950年9月16日、ブザンソン音楽祭でリサイタルを行い、これが最後の公開演奏となる。同年12月2日、33歳でジュネーヴ郊外でこの世を去った。死因は白血病といわれることが多いが、実際はホジキンリンパ腫である。

人物

作曲についてはアルベール・ルーセルナディア・ブーランジェに師事しており、作品を自作自演で残してもいる。

録音については細心精緻を極めるタイプで、例えば名盤である「14のワルツ集」を録音した際には、何度も弾きなおして14曲のOKテープを録るのに丸々9日間かかった[1]

母は1950年9月にディヌを見舞うためスイスに行くことを許され、そのままスイスに亡命した。

ディヌの弟のヴァレンティン・リパッティはブカレスト大学でフランス文学を教えた後、1964年に外交官になった。

音楽について

彼のピアノの特徴は、透明な音色でピアノを最大限に歌わせていることである。純粋に徹した、孤高なまでに洗練されたピアニズムは古今でも随一とされる。ショパンモーツァルトなどを得意とした。ショパンのワルツ集は現在でも絶品とされている。

作品リスト

  • ツィガーヌ(オーケストラのための組曲)1934年
  • 古典風なコンチェルティーノ作品3(ピアノと室内オーケストラのための)1936年
  • 協奏交響曲(2台のピアノと弦楽オーケストラのための)1938年
  • 左手のためのソナチネ(ピアノ曲)1941年
  • ルーマニア舞曲集(2台ピアノ、ピアノと管弦楽の2版あり)

文献

  • Hommage à Dinu Lipatti. Labor & Fides, Genf 1952. (Enthält größtenteils Hommages von bekannten Musikern in Französisch, Deutsch und Englisch)
  • Dragos Tanasescu, Grigore Bargauanu: Lipatti. Kahn & Averill, London 1988, ISBN 0-912483-18-0.
  • Monika Jäger: Das kompositorische Werk von Dinu Lipatti als Teil der europäischen Moderne. Universität Osnabrück, Osnabrück 2010, epOs-Music, ISBN 978-3-940255-12-9.

脚注

  1. ^ LP「ショパン・ピアノ・ワルツ集(AS-8052)」解説より

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