チョップスティックス (曲)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > チョップスティックス (曲)の意味・解説 

チョップスティックス (曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/06 22:09 UTC 版)

チョップスティックス」は単純で広く知られたピアノ向けのワルツであり、原題は "The Celebrated Chop Waltz"である。 イギリスの作曲家ユーフェミア・アレンがアーサー・デ=リュリの筆名で作曲し、1877年に出版された[1]。 これはアレンが発表した唯一の作品である。当時、彼女はまだ16歳であり、彼女の兄で音楽出版者であったモーツァルト・アランが独奏向けと二重奏向けの編曲を加えた[2]

原題の "Chop Waltz" は、アレンが命名したものである。主旋律が2音による和音となっていて、演奏する際には小指を下に、両方の掌が互いに向き合うように垂直方向に固定して、チョップのような動きで鍵盤を打つところから来ている[2]。この曲に似た "The Coteletten Polka"「コートレットポルカ」も1877年に演奏され、その後1879年に推敲されピアノ曲集 Paraphrases に掲載された。

tati-tati と Paraphrases

"Tati-tati"

同じように2本の指で演奏する初歩的なピアノ練習曲は、ロシアでは二拍子の "tati-tati" あるいは『コートレット・ポルカ』として知られている。『チョップスティックス』が左右2本の指を同時に用いて和音として演奏するのに対して、"tati-tati" では左右の指を交互に用いる。

1877年にアレクサンドル・ボロディンの娘ガニアが、デ=リュリの作品の冒頭部によく似た4小節の『コートレット・ポルカ』を演奏したが、2つの作品の間にいかなる関係があるのかについて確固たる証拠はない[2]1878年から1879年にかけてツェーザリ・キュイアナトーリ・リャードフ、ボロディン、ニコライ・リムスキー=コルサコフおよびニコライ・シチェルバチョフが、この主題の変奏曲をピアノ二重奏向けに作曲し、Paraphrases というタイトルの曲集として連名で発表した[3]。この曲集には、後にフランツ・リストによる補足のパラフレーズが追加された。ボロディンによるバージョンでは、最初の4小節はデ=リュリの作品と同じような形式で始まるものの、明確に区別できる。Fuldの World-Famous Music によると、"Chop Waltz" と「コートレット・ポルカ」に共通の起源が今のところ見つかっていない[2]

映画、音楽、テレビ

Score, as published in 1877
映像外部リンク
「トトトのうた」
「トトトのうた」 - YouTube - 山野さと子・山田リイコ
「トトトのうた」 - YouTube - ボンボンアカデミー
  • 1941年、アメリカの作曲家で教育者でもあるジョン・S・トンプソンが「チョップスティックス」の変奏曲集を発表した[4]
  • リベラーチェ1955年の映画 Sincerely Yours (映画)英語版 の中でフルオーケストラ版の「チョップスティックス」を演奏した[5]
  • 日本では「チョップスティックス」に阪田寛夫ニワトリに関連する歌詞[6]をつけた「トトトのうた」が知られており[7][8]1966年2月〜3月にNHKの『みんなのうた』で放送され[9]、後に同局の『おかあさんといっしょ』でも放送された(2022年6月29日発売のBlu-ray&DVD『「おかあさんといっしょ」メモリアルベスト またあおうね!』にも収録されている[10][11])。
  • 1972年、『刑事コロンボ』のエピソード「黒のエチュード」において、ジョン・カサヴェテス演じる殺人者/指揮者のアレックス・ベネディクトをいらつかせるために、コロンボが「チョップスティックス」を演奏するシーンがあった[12]
  • 『チョップスティックス』は1972年にアメリカABCで放映された土曜朝のアニメーション Popeye Meets the Man Who Hated Laughterにおいて、ビートル・ベイリーの同僚シュノーケル軍曹が秘密のメッセージに様々な具材を載せて、ダグウッド・サンドイッチのようにして食べるシーンの劇伴曲として用いられた[13]
  • 1988年の映画『ビッグ (映画)』でおもちゃ社長マクミランと主人公ジョッシュが「チョップスティックス」をウォーキングピアノで連盤した。
  • 1989年11月1日に放映されたテレビドラマ『タイムマシーンにお願い』シーズン2第5話 "Blind Faith" で、スコット・バクラが盲目のピアノ奏者と精神を入れ替えたが、それはまざにアンコールの場面だった。バクラは「チョップスティックス」を演奏して満場の喝さいを受けた[14]

脚注

  1. ^ Allen 1877.
  2. ^ a b c d Fuld 2000, pp. 170–171
  3. ^ Various 1879.
  4. ^ Thompson 1941.
  5. ^ https://www.imdb.com/title/tt0048623/?ref_=nv_sr_srsg_0
  6. ^ トトトのうた-歌詞-Various ArtistsKKBOX - 2025年2月7日閲覧。
  7. ^ 【楽譜】トトトの歌(チョップスティックス) / (ピアノ・ソロ譜/初中級)提供:リットーミュージック、楽譜@ELISE - 2025年2月7日閲覧。
  8. ^ トトトのうた(チョップスティックス)2オクターブ / トーンチャイム、ハンドベル、ミュージックベル譜 ((不明)) / ハンドチャイム 初〜中級、Piascore 楽譜ストア - 2025年2月7日閲覧。
  9. ^ トトトのうた、NHK みんなのうた - 2025年2月7日閲覧。
  10. ^ 「おかあさんといっしょ」メモリアルベスト またあおうね!Blu-ray&DVD/「おかあさんといっしょ」メモリアルアルバム いっしょにうたえば わくわく ひろがるCD 6月29日(水)発売決定【先着購入者特典あり】、HMV&BOOKS online、2022年4月28日。
  11. ^ NHK「おかあさんといっしょ」メモリアルベスト またあおうね!、NHK「おかあさんといっしょ」メモリアルアルバム いっしょにうたえば わくわく ひろがるポニーキャニオン - 2025年2月7日閲覧。
  12. ^ "That's My Specialty, Homicide" – Columbo - YouTube 2022-06-11閲覧
  13. ^ The Phantom in Popeye Meets The Man Who Hated Laughter (1972)(1133s〜) - YouTube
  14. ^ https://www.imdb.com/title/tt0681108/?ref_=ttep_ep5
  15. ^ NiziUが新曲「Chopstick」本日リリース、遊び心あるトラックに乗せて“箸”を表現”. 音楽ナタリー (2021年11月11日). 2021年11月30日閲覧。

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  チョップスティックス (曲)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「チョップスティックス (曲)」の関連用語

チョップスティックス (曲)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



チョップスティックス (曲)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチョップスティックス (曲) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS