【タンホア鉄橋】(たんほあてっきょう)
ベトナムのソンマ川に掛かる鉄橋。
ベトナム戦争中、ベトナム民族解放戦線(ベトコン)及び北ベトナム政府軍にとっての重要な兵站輸送路であったため、アメリカが本格的に軍事介入を始めた1965年以降、アメリカ軍による空爆を度々受けた。
しかし極めて頑丈で、多少の損害も物ともせず、かつ人海戦術による修復作業により、足掛け7年間にわたって実に300発の爆弾の嵐を耐え切った。
だが1972年、アメリカ軍が投入した新兵器・AGM-62「ウォールアイII」EOGB(TV誘導爆弾)やレーザー誘導爆弾が実戦投入されると、たった5発の誘導爆弾によってあっさり破壊され、その後の継続した空爆により完全に沈んだ。
こうしたことから、近代軍事史において、誘導爆弾のデビューと実用性を語る際にこの橋の事が多く取り上げられている。
参考 http://www.masdf.com/crm/bridge1.html
http://www.masdf.com/crm/bridge3.html
ハムロン橋
(タンホア鉄橋 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 15:45 UTC 版)
ハムロン橋(ベトナム語:Cầu Hàm Rồng / 梂頷龍)又はタインホア橋 (英語: Thanh Hóa Bridge、タンホア鉄橋)とは、ベトナムタインホア省マー川(馬江)に架かる橋である。
概要
ベトナムの南北を結ぶ重要な交通の要衝である。
元々この地には20世紀初頭にフランスの建設した鉄道橋が存在していたが、ベトナム革命の過程でベトミンの抵抗活動によって破壊された。ホーチミン政権によって1957年に再建が開始され、1964年4月25日に完成した[1]。
トラス式の鉄橋で、灰色に塗装され、橋脚はコンクリート製。長さ540フィート(165メートル)、幅56フィート(17メートル)、高さ約50フィート(15メートル)である。
ベトナム戦争中は南ベトナム軍を支援する米軍の標的となり、1000回以上にわたる空襲を受け、7万トン以上の爆弾が投下された[2]。
北ベトナム軍は、1965年4月3日から翌日にかけての戦闘で戦闘機47機を撃墜するなど、この橋の防衛戦で米軍機117機を撃墜したと主張している(アメリカ側は11機の喪失と主張[3])[2]。
1972年5月にスマート爆弾が初めて実戦投入された際、攻撃目標となった[4]。
戦後再建されたが、老朽化により2010年に修復工事が行なわれた[2]。
脚注
- ^ “Ngâm mình dưới nước khôi phục đường sắt Hàm Rồng”. Giao thông. 2019年6月24日閲覧。
- ^ a b c “ベトナム戦争の象徴「ハムロン橋」の修復完了[社会]”. VIETJOベトナムニュース. 2019年3月13日閲覧。
- ^ Demerly, Tom (2018年4月9日). “The Historic Thanh Hóa Bridge Raid: A Historic Lesson in Adaptive Air Combat and The Cost of Getting It Wrong.” (英語). The Aviationist. 2019年3月13日閲覧。
- ^ “スマート爆弾(スマートばくだん)とは”. コトバンク. 2019年3月13日閲覧。
関連項目
外部リンク
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