タブー (香水)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > タブー (香水)の意味・解説 

タブー (香水)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/02 10:35 UTC 版)

タブー(Tabu)
The Ladies' home journal (1948)掲載のタブーの広告
ダナによる香水
種類 女性用香水
発売 1932

タブー(Tabu)は、フランスの調香師ジャン・カール英語版が1931年につくった女性用の香水である[1]。1932年にダナ社から発売された[2]

起源

タブーの名称は、ダナ社の創業者であるセラがスペイン内乱で母国を離れニースの海岸を散歩していたときに、フロイトの著書『トーテムとタブー』を目にしたことから思い付いたという[3]

香水メーカーのハウス・オブ・ダナは、1932年に弁護士のハビエル・セラ(Javier Serra)によってスペインのバルセロナに設立された。その後、パリに本社を置いた。第二次世界大戦でフランスがドイツの占領下となった1940年、アメリカに移転した[4]

ジャン・カールは、ニナ・リッチクリスチャン・ディオールエルザ・スキャパレッリクリストバル・バレンシアガなどのファッションハウスと関連する会社であるルール・ベルトランで働いていた[5]

タブーは「オリエンタル」な香りの草分け的な存在とされ[3]、それは後の「Tuvara」(1948年)や「Youth Dew」(1951年)の原型となった[6]

材料

カールは、パチョリを非常に多量(10%)に使用し、クローブ(カーネーション)、オークモスベンゾインバニラの効果)と組み合わせた。その他のノート(en:Note_(perfumery))には、ベルガモットネロリオレンジコリアンダー水仙、クローバー、ローズイランイランジャスミンシダーサンダルウッドベチバーシベット、アンバー、ムスクなどがある。おそらくダナはカールに「娼婦がつけるような香水を作ってほしい」と依頼した。[要出典]

広告

プリネ作の、タブーの広告に使われたクロイツェル・ソナタの絵画

タブーの印刷広告には長い間、レフ・トルストイの同名小説に触発されたルネ=グザヴィエ・プリネ(René-Xavier Prinet)の1901年の絵画「クロイツェル・ソナタ」(en:The_Kreutzer_Sonata_(painting))を再現したものが使われてきた[6]。絵画は、情熱に圧倒され、演奏を中断して伴奏者の女性を抱きしめるヴァイオリニストを描いている。広告のキャッチフレーズは、「タブー、禁断の香り」("Tabu, the forbidden fragrance")で[7][8]、人々はその広告を見て、抱き合うカップルと香りを結びつけた[9]

日本においても戦中から戦後にわたり、プリネ作のポスターがよく盗まれたという[3]

ギャラリー

脚注

  1. ^ Rhind, Jennifer Peace (2014). “4. Perfume: the transcendence of the sweet life” (英語). Fragrance and Wellbeing: Plant Aromatics and Their Influence on the Psyche. London and Philadelphia: Singing Dragon. p. 121. ISBN 978-0-85701-073-5. https://books.google.com/books?id=LamNAQAAQBAJ&dq=Tabu+by+Dana&pg=PA121 
  2. ^ Our Story” (英語). Dana Classic Fragrances. 2024年5月21日閲覧。
  3. ^ a b c 平田 2007, p. 24.
  4. ^ (英語) Reports of the Tax Court of the United States. U.S. Government Printing Office. (1966). pp. 107–136. https://books.google.com/books?id=9iS_-ftGB10C&dq=Dana&pg=PA107 
  5. ^ Jean Carles (1892-1966)” (英語). 2010年4月11日閲覧。
  6. ^ a b Tabu” (英語). Dana Classic Fragrances. 2024年5月21日閲覧。
  7. ^ Moro, Pamela A. (2018) (英語). Violins: Local Meanings, Globalized Sounds. Routledge. ISBN 978-0-429-88719-2. https://books.google.com/books?id=O4V7DwAAQBAJ&dq=Kreutzer+Sonata&pg=PT223 
  8. ^ Hill, Daniel Delis (2002) (英語). Advertising to the American Woman, 1900-1999. Ohio State University Press. p. 132. ISBN 978-0-8142-0890-8. https://books.google.com/books?id=HY5qgKfwmsEC&dq=Tabu+by+Dana&pg=PA132 
  9. ^ (英語) California Highway Patrolman. California Association of Highway Patrolmen.. (1960). p. 27. https://books.google.com/books?id=U4giAQAAMAAJ&q=tabu+sonata 

参考文献

  • 平田幸子『香水ブランド物語』学習研究社、2007年7月9日。 ISBN 978-4054034532 

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  タブー (香水)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「タブー (香水)」の関連用語

タブー (香水)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



タブー (香水)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのタブー (香水) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS