ゼンメルクネーデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/11 06:10 UTC 版)
ゼンメルクネーデル(ドイツ語: semmelknödel)は、オーストリア料理、バイエルン料理の一種[1][2]。
概要
小型のパン・ゼンメルを鶏卵と共にこねて作った団子(クネーデル)を茹でたものである[1][3]。なお、ジャガイモをベースにしたクネーデルはカルトッフェルクネーデル(kartoffelknödel)と呼ぶ。
蒸しパンのような食感をしており、もちもちしてはいない[4]。
キノコのクリームソースと合わせたり、肉料理の付け合わせとして提供されるほか、コンソメのようなさらりとしたスープに入れて食されることもある[2][4]。
カネーデルリ

イタリア北部の南チロルでは、同様のパンから作った団子をカネーデルリ、カネデルリ(イタリア語: canéderli)と呼ぶ[3][5]。
南チロル料理を代表する一般的な料理であり、様々なレシピがある[3]。スタンダートなレシピは、パン、鶏卵にスペック(speck)と呼ばれる燻製生ハムを加えたものである[5]。
イタリアではブロードに入れて食べたり、セージで香り付けした溶かしバターとパルミジャーノ・レッジャーノをかけて食べる[3]。溶かしチーズをかけて食すのが南チロル風である。
カネーデルリの誕生については、次のような言い伝えがある[5]。15世紀、とある田舎の小さな家に男たちが押しかけ、すぐに食事を出さないと家を燃やすと脅した[5]。その家の若い娘はパン、鶏卵、スペック、小麦粉を使って団子を作り、茹でて食べさせたところ、この団子がとても美味であったので男たちはおとなしく退散した[5]。
カネーデルリ・ドルチ
カネーデルリ・ドルチ(イタリア語: canéderli dolci)は、アプリコットやプルーンといった南チロルのフルーツのジャムを入れ、パン粉をまぶしたカネーデルリ[5]。ボルツァーノ自治県西部のヴァル・ヴェノスタはアプリコットが名産であり、収穫の季節になるとアプリコットを丸ごと入れたカネーデルリ・ドルチを作る習慣がある[5]。
出典
- ^ a b 『A17 地球の歩き方ウィーンとオーストリア 2023~2024』地球の歩き方、2023年、382頁。ISBN 978-4059208297。
- ^ a b ドイツ観光局 [@GermanyTravelJP] (2018年2月19日). "ミュンヘンを中心とするバイエルン地方で、ドイツ料理の付け合わせによく見かけるのが、お団子状のクネーデル(Knödel)。". X(旧Twitter)より2025年2月18日閲覧。
- ^ a b c d “基本のカネーデルリ”. BACCHETTE E POMODORO. 2025年2月18日閲覧。
- ^ a b 相原恭子 (2022年1月13日). “ヨーロッパのお団子?クネーデル ドイツ、オーストリア、チェコ”. &Travel. 朝日新聞. 2025年2月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g 佐藤礼子「カネデルリ ドルチ」『イタリア菓子図鑑お菓子の由来と作り方 :伝統からモダンまで、知っておきたいイタリア郷土菓子107選』誠文堂新光社、2020年、89頁。 ISBN 978-4416520147。
外部リンク
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