スーファミターボとは? わかりやすく解説

スーファミターボ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/26 04:00 UTC 版)

スーファミターボ
開発元 バンダイ
トムクリエイト[1]
種別 ゲーム機用周辺機器
発売日 1996年6月28日
メディア ロムカセット

スーファミターボSUFAMI TURBO)は、1996年6月28日にバンダイが発売したスーパーファミコン周辺機器。メーカー希望小売価格3,980円。

専用小型ロムカセットをスーパーファミコンに接続し使用するための機器で、スーパーファミコンソフトの低価格供給を主な目的とした[2][3][4][5]が、3か月で新作ソフトの供給を終了した。

概要

スーパーファミコンソフトは大容量化により1994年から1995年にかけて価格高騰が進み、1万円を超えるソフトの発売が常態化した。スーファミターボはこれを打開するとともに、スーパーファミコン市場を活性化する目的で開発・発売された[2][4]。スーパーファミコンのカセット差込口に接続するスーファミターボと、スーファミターボに接続する専用小型カセットの併用によりコスト削減を図り、安価なゲームソフトの供給を実現するとした[2][5]。さらにスーファミターボには同時に2つのカセットを接続することもでき、カセット間のデータ連動でゲームの遊びや機能の追加拡張も行えるとした[3][5]

専用カセットはいずれも当時のスーパーファミコンソフトとしては最安値となる3,980円[注釈 1]で販売され、一部のタイトルはスーファミターボ本体とのバンドル版となる「限定セット」が6,800円で販売された。ゲームソフトは新作のほか、スーファミターボカセットによる旧作スーパーファミコンソフトの廉価版スーパーテトリス2+ボンブリス』の発売が公表された[注釈 2][注釈 3]。しかし同タイトルは発売中止となり、実際に発売されたソフトは低年齢層向けのキャラクターゲームで占められた。

ソフトは年内に30タイトル以上の発売を予定していた[4]ものの、バンダイのグループ会社やそれ以外の他社から発売されることはなく、主流ハードは安価なCD-ROMメディアを採用したPlayStationへ移行していたこともあり、1996年9月27日発売の4タイトル、全13タイトルをもって供給を終えた。旧作廉価版ソフトの供給は実現せず、公表された機能の活用も一部に留まった。

ハードウェア

スーファミターボとそのシステムは以下の特徴を持つ。

本体搭載の基本プログラムデータ
スーファミターボに搭載されたマスクROMにはフォントなど各ゲームに使用される約2Mbit分の基本プログラムデータ[3]が記録されており、これにより専用ソフトの開発費とデータ容量の削減が図られた[2][5]
通常のスーパーファミコンカセットと同様に海賊版防止およびリージョンコード用のCICチップも搭載する。
2つのカセット差込口
スーファミターボには正面から見て左側のA・右側のBと、カセット差込口が2つあり、通常はゲームカセット1つをAに差して起動する。未接続またはBのみに差して起動した場合、電源を切ってからAへカセットを差すよう促す警告画面が表示される。
対応する2つのカセットを差して使用することもでき、カセット間でマップやユニットなどのデータを持ち寄っての対戦、勝敗成績・アイテムなどのデータ交換ができる。
このほか製品化はされず実現しなかったが、Aにゲームカセット、Bには追加データを収録した「データカセット」を差し込み、Aのゲーム内容の拡張・更新も可能とされた[3][5]。例としてシナリオ・マップ・キャラクターなどの追加、スポーツゲームなどのデータ更新が挙げられる。
専用小型カセット
任天堂へ製造委託する通常のスーパーファミコンカセットと異なり、スーファミターボ専用カセットはスーパーファミコン用周辺機器として扱われ、バンダイが自社製造を行った。
最大容量は8Mbit[3]。ゲームによってはバッテリーバックアップ機能も搭載する。カセットの外寸はおよそ縦74mm、幅56mm、厚さ15mmで、ゲームボーイカートリッジと比較すると若干縦に長く厚さは倍くらいとなる。
前述のデータカセットのほか、ゲームデータは収録せずセーブデータの記録保存機能のみとなる「メモリーカセット」も計画されていた[5]

ソフトウェア

バンダイより13タイトル発売され、トムクリエイトがスーファミターボ本体とともに11タイトルの開発を担当した[1]。SDウルトラバトルシリーズとSDガンダムジェネレーションシリーズは同一ソフトまたは各シリーズのソフト間でデータのやり取りが可能とされている。

★は限定セット販売タイトル。

1996年6月28日発売

スーファミターボ本体と同時発売

  • SDウルトラバトル ウルトラマン伝説★
  • SDウルトラバトル セブン伝説
  • ぽいぽい忍者ワールド★ - 外部版権に頼らないオリジナルキャラクターによるゲーム[4]。同一ソフトでのデータ連動が可能。
1996年7月19日発売
  • ゲゲゲの鬼太郎 妖怪ドンジャラ★
1996年7月26日発売
  • SDガンダムジェネレーション 一年戦争記★
  • SDガンダムジェネレーション グリプス戦記
1996年8月23日発売
1996年9月27日発売
  • SDガンダムジェネレーション ザンスカール戦記
  • SDガンダムジェネレーション コロニー格闘記
  • 美少女戦士セーラームーン セーラースターズ ふわふわパニック2★
  • クレヨンしんちゃん 長ぐつドボン - トムクリエイトの開発履歴には掲載なし。

発売中止ソフト

脚注

注釈

  1. ^ 当時発売済みかつ同価格のスーパーファミコンソフトには1996年2月の『ゲゲゲの鬼太郎 復活! 天魔大王』があるが、これは1993年発売ソフトの廉価再発売版となる。
  2. ^ a b ファミリーコンピュータMagazine付録『スーファミターボMagazine』では1992年の通常版と1994年の限定版のうち後者を発売[6]、カセット単品・本体セットともに発売日・価格未定と掲載[7]
  3. ^ a b 『ファミ通』発売スケジュール表では4月に「テトリス2」の仮題でスーファミターボ同日に発売と掲載[8]。5月に『スーパーテトリス2+ボンブリス』としてカセット単品3,780円のほか本体セット6,800円も掲載[9]。5月末に本体セットが取り消され、カセット単品は発売日未定となった[10]

出典

  1. ^ a b 開発履歴”. トムクリエイト. 2025年9月23日閲覧。
  2. ^ a b c d 「ファミ通エクスプレスVOL.291 バンダイのスーパーファミコンソフト なんと! 価格が4000円未満で登場!!」『週刊ファミ通』第11巻第7号(No.374、1996年2月16日号)、アスキー、9頁。 
  3. ^ a b c d e 「ファミ通エクスプレスVOL.296 バンダイのスーパーファミコンソフトが3980円に? バンダイのスーファミターボシステム!!」『週刊ファミ通』第11巻第12号(No.379、1996年3月22日号)、アスキー、9頁。 
  4. ^ a b c d 「ファミ通エクスプレスVOL.300 スーファミターボ正式発表 ソフトがお買い得になる日は?」『週刊ファミ通』第11巻第17号(No.384、1996年4月26日号)、アスキー、8頁。 
  5. ^ a b c d e f 「システム徹底解析」『スーファミターボMagazine』ファミリーコンピュータMagazine 第12巻第10号(通巻249号、1996年6月14日号)特別付録2、徳間書店インターメディア、4-9頁。 
  6. ^ 「新作専用ソフト情報 スーパーテトリス2+ボンブリス」『スーファミターボMagazine』ファミリーコンピュータMagazine 第12巻第10号(通巻249号、1996年6月14日号)特別付録2、徳間書店インターメディア、21頁。 
  7. ^ 「超新作専用ソフト情報 スーファミターボ発売スケジュール」『スーファミターボMagazine』ファミリーコンピュータMagazine 第12巻第10号(通巻249号、1996年6月14日号)特別付録2、徳間書店インターメディア、27頁。 
  8. ^ 「新作ゲーム発売日スケジュール表」『週刊ファミ通』第11巻第18号(No.385、1996年5月3日号)、アスキー、137頁。 
  9. ^ 「新作ゲーム発売日スケジュール表」『週刊ファミ通』第11巻第22号(No.389、1996年5月31日号)、アスキー、143頁。 
  10. ^ 「新作ゲーム発売日スケジュール表」『週刊ファミ通』第11巻第24号(No.391、1996年6月14日号)、アスキー、145頁。 

関連項目

  • データック - バンダイによるファミコン用周辺機器。専用ミニカセットによりゲームソフトを供給した。

スーファミターボ(バンダイ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 14:48 UTC 版)

スーパーファミコン」の記事における「スーファミターボ(バンダイ)」の解説

スーファミターボ専用カセット使用するためのアダプタ

※この「スーファミターボ(バンダイ)」の解説は、「スーパーファミコン」の解説の一部です。
「スーファミターボ(バンダイ)」を含む「スーパーファミコン」の記事については、「スーパーファミコン」の概要を参照ください。

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