スーパーアノキシア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 17:02 UTC 版)
スーパーアノキシア(Superanoxia:超酸素欠乏事件)とは、P-T境界で起こった大規模な海洋無酸素事変である。世界の各所に産出する当時の海洋起源の堆積岩(泥岩やチャートなど)の研究から、約2億5,100万年前の前後約2,000万年にわたって海洋が酸素欠乏状態にあったことが判明している。地球史上では約100万年程度の酸素欠乏事件は何回か発生しているが、全海洋規模かつ約2,000万年という長期間にわたる酸素欠乏が起こったのはP-T境界のみであった。スーパーアノキシアはP-T境界の前段階のガダルピアン末の大絶滅と同じ時期の2億6000万年前に始まり、最盛期はP-T境界に一致している。最盛期にはその前後の地層にふんだんに見られる放散虫の化石が全く消滅しており、大洋の表層でも大量絶滅が起こっていたと考えられる。P-T境界における酸素欠乏については、「大絶滅により光合成を行う生物が極度に減少した結果、海洋中の酸素が減少した」という考え方と、「何らかの原因で海洋が低酸素化した結果、呼吸できなくなった生物が大量に死滅した」という二通りの解釈がなされている。
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