スポット価格と先物価格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/03 23:06 UTC 版)
「スポット取引」の記事における「スポット価格と先物価格」の解説
取引されている商品によって異なるが、いずれの場合もスポット価格は将来の価格変動に対する市場の期待(予想)を示している。証券または貴金属のような腐りにくいコモディティの場合、スポット価格は将来の価格変動に対する市場の期待を反映している。理論的には、スポット価格と先物価格の差はキャリーコストを反映して決まり、資金調達コストと証券の保有者が受け取る収益を加えたものに等しくなるはずである。たとえば、株式は、スポットと先物の価格差は通常、期間中に支払われる配当から購入価格に支払われる金利を差し引いたものによってほぼ完全に説明される。それ以外の価格が付いていれば、裁定取引でリスクなしで利益を取れる。 対照的に、ソフトコモディティと呼ばれる腐りやすい商品では、この裁定取引は成立しない。保管コストは、商品の予想される将来の価格よりも事実上高くなる。その結果、スポット価格は、将来の価格変動ではなく、現在の需要と供給を反映する。したがって、スポット価格は非常に変動しやすく、先渡価格とは独立して変動する可能性がある。「先物不偏性仮説(unbiased forward hypothesis)」によれば、これらの価格の差は、期間中の商品の予想価格変動に等しくなる。
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