シャタラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/23 09:41 UTC 版)
シャタラー | |
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Shatterer/Sicilian Connection | |
監督 | トニーノ・ヴァレリ |
脚本 | トニーノ・ヴァレリ 田波靖男 エルネスト・ガスタルディ |
製作 | 熊田朝雄 |
製作総指揮 | 渡辺晋 |
出演者 | 吉川晃司 |
音楽 | トット・テイラー |
撮影 | ジュリオ・アルボニコ |
編集 | アントニオ・シシリアーノ |
製作会社 | 渡辺プロ=フィルムセレクト[1] |
配給 | ![]() |
公開 | ![]() |
上映時間 | 110分 |
製作国 | ![]() ![]() |
言語 | 英語 |
『シャタラー』(Shatterer/Sicilian Connection)は、1987年制作の日本・イタリアのアクション映画[1][3]。
シチリアを舞台に、日伊合弁の自動車会社を追い出そうとするマフィアと、その警備を受け請った腕利きのガードマンとパートナーを殺され復讐に燃えるレーサーの闘いを描く。トニーノ・ヴァレリ監督、渡辺晋製作総指揮、吉川晃司主演[3]。
あらすじ
シチリアに日伊合弁の会社が設立され、そこで効率の良い自動車が製造されることになったが、それに危機感を感じたアメリカの自動車会社はそれを阻止すべく、地元のマフィアのドン・カタラーノに日本人排除を依頼、カタラーノ一味は日本人を次々と襲撃、さらに日本人技師の柳田を誘拐する。工場と契約しているロイヤル保険の調査役・村井は警備会社トップ・シークレット社に警備を依頼、同社は腕利きの警備マンのビクターをシチリアに派遣する。
一方、レーサーの木田光一はナビゲーターを勤めるパートナーの浩とマリアの結婚式に出席するが、彼らもマフィアのターゲットにされて殺されてしまう。復讐に燃える光一はビクターと共にカタラーノ一味との壮絶な闘いに身を投じる。
キャスト
- 本田光一:吉川晃司
- ビクター:アンディ・J・フォレスト
- 村井:三船敏郎
- アドリアーナ:マリナ・スマ
- ベアトリーチェ:ダリラ・ディ・ラザーロ
- シシビオ:アルツィオ・オノラート
- カタラーノ:オラツィオ・オルランド
- ビアトリス・リング
- ミンモ・パルマーラ
- サルヴァトーレ・ビラ
- タノ・チマローサ
製作
1986年晩秋に一部の新聞報道が先に出て[3]、マスメディアの大きな話題を呼んだ[3]。報道では渡辺プロダクション社長渡辺晋製作総指揮の下で[3]、吉川晃司を世界的に売り出すプロジェクトと伝えられた[3]。仮タイトルは『シャタラー・破壊工作』で[3]、製作費10億円を予定[3]。監督にはマカロニ・ウェスタンの巨匠・トニーノ・ヴァレリを抜擢し、吉川の相手役にはリンダ・ブレアを交渉中で、三船敏郎との共演で1987年早々にイタリアロケをスタート[3]。音楽と映像をドッキングさせたハードアクション映画を構想し[3]、1987年夏に日本と欧米で一斉公開を目指すと報道された[3]。当時の吉川は独立するタレントが相次ぐナベプロ内のドル箱タレント[3]。吉川も「ぜひ、世界の檜舞台へ進出したい」と並々ならぬ決意を見せた[3]。1986年夏にはヴァレリ監督らスタッフが来日し、吉川のコンサートを観戦し、役柄の検討に入っていた[3]。
イタリアで撮影がスタートしたが、撮影の最中に渡辺が急死、その後トニーノ・ヴァレリ監督の手で映画のストーリーが大幅に変更され、当初吉川のサポート役で出演していたイタリアで人気のあったアメリカ人俳優のアンディ・J・フォレストが主役に成り代わってしまった[4]。そのためフォレストの出演時間が突出して多くなり、吉川の出演時間が少なくなったため、当初予定された物と全く違う惨憺たる作品になってしまい、日本の観客は失望したという[5][6]。
サウンドトラック
脚注
参考文献
- 『愚 日本一心』月刊カドカワ〈別冊カドカワの本〉、2012年。ISBN 4047311200。
- Curti, Roberto (2016). Tonino Valerii: The Films. McFarland. ISBN 978-1476626185
- Galbraith IV, Stuart (2008). The Toho Studios Story: A History and Complete Filmography. Scarecrow Press. ISBN 978-1461673743 2013年10月29日閲覧。
外部リンク
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