シシリーの作風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 14:21 UTC 版)
「シシリー・メアリー・バーカー」の記事における「シシリーの作風」の解説
シシリーの花の妖精は、植物の正確な描写と、生き生きした子供たちの像で画期的なものであった。彼女の絵は、幻想的というより、リアリズムでもあり、ラファエル前派の芸術の影響を受けたその作品は、何よりも「自然」な描写に充たされていた。 初期に描かれ、『春の花の妖精』に納められた美しい絵である「プリムローズの花の妖精」は、当時、バーカー家で家事の仕事をしていたグラディス・タイディという名の少女をモデルに描かれた。シシリーが造った妖精のコスチュームをまとったグラディスは、花を実際に手にして、ポーズを取った。 シシリーの描く花の妖精は、甘美な美しさと純粋な童心を喚起させるが、ときに奇妙にも見えるコスチュームをまとっていて、背中に蝶やとんぼの翅(はね)が付いていることを除くと、普通の子供や、少年や少女の絵であった。子供たちのポーズや表情は自然そのものであった。それは、花の植物学的な正確さと共に、実際の子供たちの姿に対する、シシリーのたゆみない観察とスケッチから来ていた。
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