ザ・ギバー_記憶を伝える者とは? わかりやすく解説

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ザ・ギバー 記憶を伝える者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/02 01:40 UTC 版)

ザ・ギバー 記憶を伝える者
著者ロイス・ローリー
アメリカ合衆国
言語英語
シリーズギヴァー四部作
ジャンル児童文学
出版日1993
次作『ギャザリング・ブルー 青を蒐める者』

ザ・ギバー 記憶を伝える者』(ザ・ギバー きおくをつたえるもの、The Giver)はアメリカの作家ロイス・ローリーによる1993年に発表された児童文学。ギヴァー四部作の第一作目にあたる。対象年齢は8-12歳程度[1]

1994年度ニューベリー賞受賞作。2014年に『ギヴァー 記憶を注ぐ者』として実写映画化されている。

日本では1995年講談社ユースセレクションから『ザ・ギバー 記憶を伝える者』という邦題で掛川恭子の訳が出版された[2]。しかしその後この講談社版が絶版となり、愛読者有志のグループ「『ギヴァー』を全国の読者に届ける会」の活動により、2010年1月新評論より島津やよい訳の新訳版『ギヴァー 記憶を注ぐ者[3]』が刊行された。『ギャザリング・ブルー 青を蒐める者』(GATHERING BLUE)、『メッセンジャー 緑の森の使者』(MESSENGER)、『ある子ども』(SON)とともにギヴァー四部作を構成する[4]SFともファンタジーとも寓話とも取れる内容で、カバー折り返しには「近未来ファンタジー」と書かれている。

概要

物語の舞台となる「コミュニティー」は犯罪、飢餓、悩み等のないユートピアのようである反面、規則が多く、人々が強い感情を表すことのない奇妙な社会である。一見平和な管理社会の恐ろしさ、異常さが読者と主人公のジョナス(旧版ではジョーナス)[注 1]の目に段々と露になる構成となっている。

あらすじ

コミュニティーの子どもは〈十二歳の儀式〉で個性を認められ、〈長老会〉の観察結果に従ってそれぞれ〈職業任命〉を受ける。 少年ジョーナスはコミュニティーにただ一人の〈記憶を受けつぐ者〉の後継者に任命された。それは最も名誉ある仕事であると同時に、苦痛と孤独を知る仕事でもあった。

〈記憶を受けつぐ者〉は全世界の記憶を受け継ぎ、その知識で長老会に助言をするが、記憶の内容は口外できない。 受け継いできた記憶をジョーナスに伝える老人は記憶の重みで疲労していた。彼、〈記憶を伝える者(ザ・ギバー)〉はジョーナスにはるか昔の記憶を一つずつ渡していく。

ジョーナスは〈画一化〉以前の記憶を得て、人の管理によって失われたものを知る。 混乱の元となる自由と個性をなくし、苦痛の記憶を〈記憶を受けつぐ者〉だけが負うことで現在のコミュニティーは成り立っていた。

記憶をすべての人が分けて持つことを考え始めたジョーナスは、〈記憶を伝える者〉とともに現状を変える方法を計画する。

脚注

注釈

  1. ^ 表記ゆれで「ジョナス」とも。

出典

  1. ^ The Giver”. Random House. 2017年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月9日閲覧。
  2. ^ ロイス・ローリー(著)、掛川恭子(訳)『ザ・ギバー 記憶を伝える者』講談社、1995年9月20日。ISBN 4062616521 
  3. ^ ギヴァー 記憶を注ぐ者”. 新評論. 2017年8月31日閲覧。
  4. ^ Giver Quartet (4 Book Series) - ウェイバックマシン(2017年8月31日アーカイブ分)

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