ザルモクセスとは? わかりやすく解説

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ザルモクセス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/24 09:21 UTC 版)

ザルモクセス
生息年代: 70–66 Ma
Є
O
S
D
C
P
T
J
K
Pg
N
ブリュッセルで展示されるZ. shqiperorumのレプリカ
地質時代
白亜紀後期
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜下綱 Archosauria
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
階級なし : 角脚類 Cerapoda
亜目 : 鳥脚亜目 Ornithopoda
: ラブドドン科
Rhabdodontidae
: ザルモクセス属
Zalmoxes
学名
Zalmoxes
Weishampel et al.2003

ザルモクセスZalmoxes ダキア人の神ザルモクシス英語版にちなんで命名)は白亜紀後期に現在のルーマニアに生息した草食恐竜の属である。イグアノドン類ラブドドン科英語版に分類されている。

特徴

Z. robustusZ. shqiperorumの比較
復元図
現在見つかっている部分をもとに復元された頭骨

ザルモクセスはかなり小型で二足歩行の草食動物であるが、先の尖った三角形の大きな頭と短い首を持ち、がっしりとした体格である。タイプ種Z. robustusは全長2-3 m、もう一種のZ. shqiperorum はこれより大きく全長4-4.5 mである。小型であることについてフランツ・ノプシャ島嶼矮化英語版の1例としたが、 Ősi et al. (2012)ではザルモクセスはラブドドン科の元の状態にたいして大きくも小さくもなっていないという証拠が出されている。同科ではモクロドン英語版が若干の矮小化、ラブドドンが「本土」での巨大化によるとされている[1]

発見

1900年、フランツ・ノプシャトランシルヴァニアで発見された多数の化石に基づいてモクロドン属の新種Mochlodon robustum を命名した。種小名は頑丈な体格にちなんだものである[2]。1915年にノプシャはこの種をラブドドン属に移しRhabdodon robustum と改名した。この名は1990年にジョージ・オルシェフスキーオランダ語版によりとRhabdodon robustus校正されている。

2003年にデイヴィッド・ワイシャンペル英語版Coralia-Maria JianuZoltan Csikiおよびデイヴィッド・ノーマン英語版はこの種が独自の新属に分類し、ザルモクシスのつづりの異形の一つであるZalmoxes と命名した。この神の名が選ばれたのは、この神が4年目に復活するために3年間地下室に潜伏したからであり、この動物の化石がノプシャによって墓場から開放され、分類学上の不死を得たことをそれになぞらえたものである。

タイプ種Mochlodon robustus はそのため新しい組み合わせZalmoxes robustus となった。ホロタイプBMNH R.3392は右の歯骨である。スンペトル層英語版のマーストリチアンの地層から発掘された数百の化石がこの種のものとされている。ほとんどの骨格では尾の先端、手、足以外の部分が知られている[3]

2003年に同一の著者により第2の種 Zalmoxes shqiperorum が命名、記載された。種小名アルバニア語アルバニアを意味するShqiperiaから派生したもので、ノプシャがかつてに王になろうとしたなど特別な関係にあった国であることに由来する。ホロタイプBMNH R.4900は 部分骨格である。

2005年にSven SachsとJahn J. Hornungはオーストリアで発見された Mochlodon suessii の化石を暫定的にZalmoxes sp.へと移した。公式に Mochlodon suessiiをザルモクセスに移し、同一性を主張すると優先権を持つモクロドンの名がザルモクセスに置き換えられてしまうこと意味するためである[4]

ザルモクセスは2003年に新たなクレードであるラブドドン科英語版に分類されている。

参照

  1. ^ Ősi, A.; Prondvai, E.; Butler, R.; Weishampel, D. B. (2012). Evans, Alistair Robert. ed. “Phylogeny, Histology and Inferred Body Size Evolution in a New Rhabdodontid Dinosaur from the Late Cretaceous of Hungary”. PLoS ONE 7 (9): e44318. doi:10.1371/journal.pone.0044318. PMC 3448614. PMID 23028518. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3448614/. 
  2. ^ F. Nopcsa, 1900, "Dinosaurierreste aus Siebenbürgen (Schädel von Limnosaurus transsylvanicus nov. gen. et spec.), Denkschriften der Kaiserlichen Akademie der Wissenschaften. Mathematisch-Naturwissenschaftliche Classe 68: 555-591
  3. ^ Weishampel, D. B., C.-M. Jianu, Z. Csiki, and D. B. Norman. (2003). "Osteology and phylogeny of Zalmoxes (n.g.), an unusual Euornithopod dinosaur from the latest Cretaceous of Romania". Journal of Systematic Palaeontology 1(2): 65–123
  4. ^ Sven Sachs and Jahn J. Hornung, 2005, "Juvenile ornithopod (Dinosauria: Rhabdodontidae) remains from the Upper Cretaceous (Lower Campanian, Gosau Group) of Muthmannsdorf (Lower Austria)", Geobios, 39(3): 415-425

外部リンク




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