サンゴ礁の形成過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/16 07:22 UTC 版)
サンゴ礁の形は通常、海岸沿いに形成される裾礁(きょしょう)、中央島の海岸からラグーンの先に並走する堡礁(ほしょう)、中央に島がなく、サンゴ礁のみが環状になる環礁(かんしょう)の3つに分類される。 この中で、環礁は土台になる島が存在しないので、どのように作られるかが分かりにくい。環礁が存在する大洋では、海底の深度が 5,000 メートル程度あることも珍しくない。 これら三つのサンゴ礁の型を、一つの発展のそれぞれの段階であるとみなして、統一的に説明したのが「沈降説」であり、「進化論」で有名なチャールズ・ダーウィンが1842年に発表したものである。彼によると、これらのサンゴ礁は、まず島の回りに発達を始め、その中央島が沈降して行くことで、次第にその姿を変えるとする。 サンゴ礁はまず裾礁として形成が開始される。島があると、その海岸に造礁サンゴが定着し、発達が始まる。海岸周辺にサンゴ礁が発達すれば、裾礁が成立する。 その後に、島がゆっくりと沈降して行くとすれば、サンゴ礁は次第に上方に成長する。基盤となる島の地盤が沈降しても、礁の上面は常に海水面の位置にあり続ける。そうすれば、島が沈降するにつれ、島本体の海岸線は縮小し、周囲のサンゴ礁はそのままの位置・形を保つので、次第にサンゴ礁は島本体の海岸線を離れ、ある程度の距離を置いて島を取り巻くことになる。つまり堡礁になるわけである。 さらに島が沈降し、ついに海面から没してしまえば、海面には元の島の海岸線をかたどったサンゴ礁の環がのこる。つまり環礁ができる。
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