コーン・シャム理論とは? わかりやすく解説

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コーン・シャム理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/25 05:02 UTC 版)

密度汎関数理論」の記事における「コーン・シャム理論」の解説

1965年ヴァルター・コーンリュウ・シャムによりホーヘンベルク・コーンの定理基づいた実際計算手法示され応用が可能となったコーン-シャム方程式)。 コーン・シャム理論は実際の系とは別に ( − ℏ 2 2 m ∇ 2 + V e f f ) ψ i = ϵ i ψ i {\displaystyle \left(-{\frac {\hbar ^{2}}{2m}}\nabla ^{2}+V_{\rm {eff}}\right)\psi _{i}=\epsilon _{i}\psi _{i}} で表される補助系考え、この系の基底状態電子密度実際の系の基底状態電子密度一致するような V e f f {\displaystyle V_{\rm {eff}}} を導くものである。 コーン・シャム理論ではホーヘンベルク・コーンのエネルギー汎関数次のような形に書き換えられる。 E K S = − ℏ 2 2 m ∫ d r   ψ i ∗ ( r ) ∇ 2 ψ i ( r ) + e 2 4 π ϵ 0 ∬ d r d r ′   n ( r ) n ( r ′ ) | r − r ′ | + ∫ d r   V e x t ( r ) n ( r ) + E x c {\displaystyle E_{\mathrm {KS} }=-{\frac {\hbar ^{2}}{2m}}\int d{\boldsymbol {r}}~\psi _{i}^{*}({\boldsymbol {r}})\nabla ^{2}\psi _{i}({\boldsymbol {r}})+{\frac {e^{2}}{4\pi \epsilon _{0}}}\iint d{\boldsymbol {r}}d{\boldsymbol {r}}'~{\frac {n({\boldsymbol {r}})n({\boldsymbol {r}}')}{|{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {r}}'|}}+\int d{\boldsymbol {r}}~V_{\mathrm {ext} }({\boldsymbol {r}})n({\boldsymbol {r}})+E_{\mathrm {xc} }} ただし、 n {\displaystyle n} は補助系基底状態密度V e x t ( r ) {\displaystyle V_{\rm {ext}}({\boldsymbol {r}})} は実際の系の外部ポテンシャルであり、ホーヘンベルク・コーンのエネルギー汎関数との違い吸収できるように交換-相関エネルギー汎関数 E x c {\displaystyle E_{\mathrm {xc} }} は定義される。この式をホーヘンベルク・コーンの第2定理に従って変分することで、 V e f f ( r ) = V e x t ( r ) + e 4 π ϵ 0 ∫ d r ′   n ( r ′ ) | r − r ′ | + δ E x c δ n ( r ) {\displaystyle V_{\mathrm {eff} }({\boldsymbol {r}})=V_{\mathrm {ext} }({\boldsymbol {r}})+{\frac {e}{4\pi \epsilon _{0}}}\int d{\boldsymbol {r}}'~{\frac {n({\boldsymbol {r}}')}{|{\boldsymbol {r}}-{\boldsymbol {r}}'|}}+{\frac {\delta E_{\mathrm {xc} }}{\delta n({\boldsymbol {r}})}}} を得る。したがって実際計算用いるためには E x c {\displaystyle E_{\rm {xc}}} の具体的な式が必要となる。局所密度近似 (LDA) は各点E x c {\displaystyle E_{\rm {xc}}} の密度一様電子気体のもので置き換えることで、具体的な表式を得る。すなわち、 ϵ ( n ) {\displaystyle \epsilon (n)} を別の方法求めた一様電子気体交換相関エネルギーとしたとき、 E x c = ∫ d r   ϵ ( n ( r ) ) n ( r ) {\displaystyle E_{\mathrm {xc} }=\int d{\boldsymbol {r}}~\epsilon (n({\boldsymbol {r}}))n({\boldsymbol {r}})} となる。これらに従えば基底状態電子密度相互作用のない補助系自己無撞着に解くことで得ることができる。 交換-相関エネルギー汎関数 E x c {\displaystyle E_{\rm {xc}}} が存在することはレヴィ制限付き探索法によって証明されている。

※この「コーン・シャム理論」の解説は、「密度汎関数理論」の解説の一部です。
「コーン・シャム理論」を含む「密度汎関数理論」の記事については、「密度汎関数理論」の概要を参照ください。

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