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ケビン・ケリー (編集者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/06 22:17 UTC 版)

ケビン・ケリー
ケビン・ケリー(2016年3月)
誕生 Kevin Kelly
(1952-08-14) 1952年8月14日(70歳)
アメリカ合衆国ペンシルベニア州
職業 編集者、未来学者
言語 英語
国籍
主題 サイバネティックス未来学仮想共同体、人工知能型の社会観
文学活動 Wired』誌の創刊編集長 (1992–1999)
全地球カタログ』編集長 (1983–1991)
映画『マイノリティ・リポート』監修
代表作 The Inevitable
配偶者 ジア・ミンファン(生化学者)
子供 3人
公式サイト http://www.kk.org
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ケビン・ケリー英語: Kevin Kelly1952年8月14日 - )は、『Wired』誌の創刊編集長で『全地球レビュー』誌 (en)誌の元編集者兼出版責任者を務める。作家、 写真家、環境保護活動家でもあり、アジアやデジタル文化を探求。

経歴

1952年8月14日ペンシルベニア州生まれのケリーはニュージャージー州ウェストフィールド・ハイスクールを1970年に卒業[1]。父は『タイム』誌の管理職でシステム解析にくわしかったことから、ケリーは子供時代にサイバネティクスに関心をいだく[2]ロードアイランド州立大学英語版で地学を学び1年で中退[3]

ケリーにはアジアを長期にわたりバックパッカーとして旅をした経験がある。カトリック教徒の家庭に育つ[3]が中東を訪れたことからキリスト教から改宗、後に信者として新生[2]した。

住まいはサンフランシスコ近郊の海沿いの町パシフィカ英語版である。生化学者の妻ジア・ミンファンとの間に子供が3人 (Kaileen、Ting、Tywen)[1]。子供は4人ほしかったという[3]

個人的な課題として地球上の全生物種をデータベース化する取り組み「リンネ計画英語版」の支援と自身のゲノム解析の完成と並行して、ミートアップ活動を続ける「Quantified Self英語版」グループを共同主催する[4]

職歴

出版界に携わるきっかけは、ジョージア州アトランタ在住時代の1980年より『CoEvolution Quarterly英語版』にフリーランスとして執筆を始めたことである。また疫学研究所に就職して生計を支えるかたわら、駆け出し編集長として『Walking Journal』誌を主宰[2]

全地球カタログ』創刊者 スチュアート・ブランドに見出されて同誌に職を得るのは1983年であり[3]、同誌ほか『Whole Earth Review英語版』ならびに『Signal』誌の編集に参加、またブランドの仮想共同体構想WELLの具体化を支える。1984年にはポイント財団英語版 (Point Foundation) 代表として初の国際ハッカー・カンファレンス英語版を共催した[5]

ケリーは『Wired』誌のルイス・ロゼット英語版に招かれて同誌編集主幹に就任した1992年から『全地球カタログ』で培った人工知能型の社会観を導入すると、それまでの経歴で育てた編集工程のネットワークを活用しつつ、『WELL』誌のライターや編集者を引き抜く[6]。1999年に編集主幹の座をゆずり、現在は Senior Maverick[1]として同誌にかかわっている。長年この雑誌の編集者だったという立場も手伝い、サイバーカルチャーの担い手、お目付役と位置付けられる。

著作活動

寄稿した主要出版物は新聞の『ニューヨーク・タイムズ』と『エコノミスト』、雑誌の『タイム』、『サイエンス』、『ハーパーズ・マガジン』、『ヴェニア・マガジン英語版』、『GQ』、『エスクァィア』がある[要出典]

単行本『Out of Control: The New Biology of Machines, Social Systems, and the Economic World英語版』 (1994年) では複雑な組織の機構を考察し、主現代科学および現代哲学の複数の分野が同じ方向性を共有するという主張を述べた。知性は集約されず、むしろ単純で細かな構成要素が蜂の巣構造に集積するという。この視点から眺める官僚機構や人工知能コンピュータ、さらにヒトの脳へと考察を展開する。

創設に関わったNGOには All Species Foundation[7][8]がある他、未来学の専門家としてスティーヴン・スピルバーグ監督作品『マイノリティ・リポート』を監修する[9]

主な著作物

書籍

単著
共著
  • "Photographers section: Kevin Kelly"、Lloyd Kahn (en) (編)、2004 Home Work、106–111頁(Shelter Publications, 2004)
  • "Forward: 1000 True Fans"、Be The Media、David Mathison(編)、pp. 3–8頁。(2009)(英語)

写真集、画集

  • Asia Grace (2002)
  • Bad Dreams (2003)
  • Bicycle Haiku (1995)

講演集

講演中のケビン・ケリー(北京大学

出典

  1. ^ a b c "Biography Kelly, Kevin”. kk.org. 2015年1月28日閲覧。
  2. ^ a b c Turner 2006, p. 131.
  3. ^ a b c d Steven Dubner (2015年1月22日). “Someone Else's Acid Trip (Podcast) (podcast)”. 2015年1月30日閲覧。
  4. ^ Wolf, Gary (2010年4月28日). “The Data-Driven Life”. The New York Times' (New York). ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2010/05/02/magazine/02self-measurement-t.html 2015年1月29日閲覧。 
  5. ^ Turner 2006, p. 132.
  6. ^ Turner 2006, p. 209.
  7. ^ Kelly. “Biography”. Kevin Kelly. 2019年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月28日閲覧。
  8. ^ Hitt (2001年12月9日). “THE YEAR IN IDEAS: A TO Z.; The All-Species Inventory”. The New York Times. The New York Times Company. 2019年7月28日閲覧。
  9. ^ Cadwalladr. “Digital prophet Kevin Kelly: I've learned a lot from Spielberg”. ガーディアン. 2016年6月12日閲覧。(『Inevitable 』の題名で〈The Observer Computing and the net books〉シリーズより単行本化。 ISBN 978-0143110378)

参考文献

  • Turner, Fred (2006). From counterculture to cyberculture: Stewart Brand, the Whole Earth Network, and the rise of digital utopianism. Chicago: University of Chicago Press. NCID BA80748885 

関連資料

  • 金田善裕「第1章 ホット・ワイアード—新しいメディアとしてのウェッブ」『ネット・ボイスイン・ザ・シティ』、アスキー、1997年 NCID BA31179455

関連項目

外部リンク

以下、特記する場合を除き英語のサイト。

K・ケリーの個人サイト

寄稿先

支援先のサイト

講演集

ケビン・ケリーの著作 - インターネットアーカイブ内のOpen Library(英語)



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