クランベリー型形態素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/31 04:18 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動形態論におけるクランベリー形態素(くらんべりーけいたいそ、英語: cranberry morpheme。fossilized termとも)とは、独立した意味や文法的機能を持たず、単語の区別のみに使われる拘束形態素の一種である[1]。
語源
クランベリー形態素の典型的な例は、クランベリー(cranberry)のcranである。このcranは、ニシンの重さを意味する同音異義語とは関係なく、鶴が基となっている。似たケースに、桑を意味するmulberryのmulがある。これはラテン語でクワの木を意味するmorusから来ているが、他の語には含まれない形態素である。
音声学的には、ラズベリー(raspberry)の接頭辞raspもクランベリー形態素の1つである。比べて、ブラックベリー(blackberry)や、個人の名前を由来とするローガンベリー(loganberry)やボイセンベリー(boysenberry)は、明確に2つの自由形態素から成っている。
例
英語におけるクランベリー形態素には以下のようなものがある。
- ラテン語で「贈る」を意味する単語mittereに由来するpermit、commit、transmit、remit、submit等のmit
- ラテン語で「つかむ」を意味する単語capereに由来するreceive、perceive、conceive等のceive
- twilightのtwi
- yesterday, yesternight, yesteryearのyester-
発現
クランベリー形態素が発生する理由はいくつかある。
- 方言が標準語となる時。例えば「馬鹿話」という意味の単語blatherskiteのskiteは、スコットランド語で「戯言を言う人」を意味する。
- 時代遅れとなった単語が、形態素として残っている時。
- 借用語。原語では同根語が存在しても、その他の原語では見られない場合など。
出典
- ^ "Cranberry morpheme" from the Lexicon of Linguistics [1]
クランベリー型形態素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/18 08:15 UTC 版)
詳細は「クランベリー型形態素」を参照 クランベリー型形態素("cranberry morpheme"、又は、"unique morpheme")は、単独の意味を有さず(即ち、自由形態素ではない)、特定の語にしか用いられない極めて限定的な機能を有する拘束形態素である。典型例は、命名の元となったcranberry(クランベリー)のcran-であり、-berryが、"strewberry"や"blueberry"を形成する果実を意味する語根であるのに対し、crangrapeといった商品名の命名を除いて、cran-は他の語で用いられることはない。。 クランベリー型形態素は、言語の化石化の表出例といわれ、言語としての生産性を失っている。化石化した語根のほか、化石化した接辞も存在する。
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