クランク室掃気型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/02 14:36 UTC 版)
「クランクケースブリーザー」の記事における「クランク室掃気型」の解説
クランクケース内を積極的に換気してエンジンオイルの劣化を緩和する方式で、クランクケース内のブローバイガスやオイルミストを含んだ空気はインテークマニホールドの負圧で吸い出され、新気はエンジン吸気のエアクリーナーボックスから取り込まれる。エンジン(多くの場合はカムカバー)にはインテークマニホールドとエアクリーナーボックスにそれぞれ1本ずつの管が接続されていて、インテークマニホールドに接続される管にはPCVバルブ(英: Positive Crankcase Ventilation valve)が組み込まれてエンジンの運転状態に応じて流量を調節している。PCVバルブはばねと円錐状のプランジャで構成されていて、クランクケースよりもインテークマニホールドの内圧が低いときに開いて1方向にのみ通気する。エンジン停止中など、インテークマニホールド内が大気圧に近い時はばねがプランジャを押しつけてバルブが閉じている。マニホールド内に負圧が発生し、プランジャを吸引する力がばねの荷重を上回るとバルブが開く。一方で、プランジャの円錐部はニードルバルブとして働き、マニホールドの負圧とバネの荷重のバランスに応じてバルブボディとの隙間が変化して流量がコントロールされる。アイドリング時などで負圧が大きい時にはプランジャが強く吸引されて円錐部の流路面積が小さくなり、加速時などで負圧が小さい時は流路面積が大きくなる。 車種によってはエアクリーナー側の流路にオイルセパレーターが組み込まれている場合があり、ブローバイガスが通過する場合にブローバイのオイル分を除去する。オイルセパレーターに溜まったオイルは、新鮮な空気がクランクケースへ取り込まれる際にクランクケース内に送り返される。
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