クラスハとは? わかりやすく解説

クラスハ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/27 14:11 UTC 版)

1L269 クラスハ-2/4

クラスハ-2/4 (エンジニアリング・テクノロジーズ2014)
種類 電⼦戦システム
原開発国 ロシア
運用史
配備期間 2014–現在
配備先 ロシア
アルジェリア
イラン
リビア
開発史
開発者 コンツェルン無線電子技術 (KRET)
製造業者 コンツェルン無線電子技術 (KRET)
ブリャンスク自動車工場 (クラスハ-4の車体)
製造期間 2010–現在
派生型 1L269 クラスハ-2
1RL257 クラスハ-4
諸元

行動距離
  • クラスハ-2: 250 km
  • クラスハ-4: 300 km
テンプレートを表示

クラスハロシア語: Красухаベラドンナという意味)は、ロシアの移動式地上ベースの対空電子戦(EW)システム(電波妨害装置)である。このシステムは、KRET(コンツェルン無線電子技術英語版)によって様々な装輪式プラットフォームで生産されている[1][2]

クラスハの主な標的は、空中無線電子機器(UAVなど)とレーダー誘導式空中システムである。ロシア連邦軍で複数の用途に使用されている[3]

クラスハ-2

クラスハ-2は、最大250キロメートル (160 mi)の範囲でAWACS電子妨害を目的としている[3][4]。クラスハ-2は、レーダー誘導ミサイルなど他の空中レーダーの妨害も可能である。

一度妨害されたミサイルは、元の目標から離れた偽の標的を狙い、もはや脅威ではなくなる。9K720 イスカンデルSRBM)のような優先度の高い移動式目標を守る。

クラスハ-4

クラスハ-4は、BAZ-6910-022英語版の4軸シャーシに搭載された広帯域多機能妨害局である。クラスハ-4は、クラスハ-2と同様にAWACSや他の空中レーダーシステムに対抗する。

クラスハ-4は、低軌道(LEO)衛星の妨害に有効な範囲を持ち、標的の無線電子機器に永続的な障害を与えられる[2][5]。地上ベースのレーダーもまた、クラスハ-4の実行可能な標的である[1]

運用国

運用履歴

クラスハ電波妨害装置は、シリアのロシア軍の支援に配備されたと報告されている[9]アメリカ合衆国の小型偵察無人航空機GPS衛星信号の受信を妨害したという[10]

2018年7月、OSCEの監視用ドローンは、ウクライナチョルヌクヒネ英語版付近に配備された他の電子戦機器の中で1L269 クラスハ-2を記録した[11]

2022年3月、ロシアによるウクライナ侵攻において、クラスハ-4が首都キーウ近くの森林でウクライナ側に鹵獲されたという[12]。 今後アメリカ軍に引き渡され、システム詳細が解析される予定とされている[13]

脚注

  1. ^ a b "Electronic warfare complex "Krasuha-4""”. KRET. 2015年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月4日閲覧。
  2. ^ a b Advanced system to guard Russia from hi-tech surveillance, drone attacks”. Russia Today. 2015年3月29日閲覧。
  3. ^ a b 1L269 Krasukha-2”. Deagel.com. 2015年3月28日閲覧。
  4. ^ KRET has fulfilled the state defense order for the delivery of Krasuha-2”. Rostek. 2015年3月28日閲覧。
  5. ^ Krasukha-4”. Deagel.com. 2015年3月28日閲覧。
  6. ^ Secret-difa3 (2013年12月13日). “Tout sur la défense au Maghreb: L'Algérie se dote d'un système de brouillage innovant”. Tout sur la défense au Maghreb. 2018年11月13日閲覧。
  7. ^ دفاع و امنیت (2019年8月4日). “سامانه مرموز جنگال در ایران +فیلم”. mashreghnews.ir/service/defence-news. 2019年8月4日閲覧。
  8. ^ GNA Turkish UAV airstrike on Electronic Warfare System Krasukha south to Sirte last night”. 2020年10月12日閲覧。
  9. ^ Axe, David (2017年10月21日). “The jammer can disrupt an enemy's own signals, potentially preventing ground-based controllers from steering their drones via satellite.”. Vice News. https://motherboard.vice.com/en_us/article/ywbwaj/russian-army-specialized-drone-hunters-krasukha-jammer. "Russia deployed Krasukha systems to Syria in an effort to form a sort of electronic shield over Russian and allied forces in the country." 
  10. ^ Varfolomeeva (2018年5月1日). “Signaling strength: Russia’s real Syria success is electronic warfare against the US”. The Defense Post. 2018年5月12日閲覧。
  11. ^ OSCE. “Latest from the OSCE Special Monitoring Mission to Ukraine (SMM), based on information received as of 19:30, 10 August 2018” (英語). osce.org. 2018年8月14日閲覧。
  12. ^ [1]
  13. ^ Top Russian intelligence weapon seized and set to America” (英語). DAILYSTAR. 2022年3月24日閲覧。

関連項目


クラスハ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 03:55 UTC 版)

電波妨害装置」の記事における「クラスハ」の解説

ロシア陸軍運用する広帯域多機能妨害局で、主な標的は、空中無線電子機器UAVなど)とレーダー誘導空中システムである。

※この「クラスハ」の解説は、「電波妨害装置」の解説の一部です。
「クラスハ」を含む「電波妨害装置」の記事については、「電波妨害装置」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「クラスハ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「クラスハ」の関連用語

クラスハのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



クラスハのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのクラスハ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの電波妨害装置 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS