カナディアン・ブラスとは? わかりやすく解説

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カナディアン・ブラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/07 01:15 UTC 版)

カナディアン・ブラス
Canadian Brass
出身地 カナダ オンタリオ州トロント
ジャンル クラシック
活動期間 1970年 -
レーベル CBC、Boot、Welk Music Group、ヴァンガード、RCA Red Seal、CBSマスターワークスフィリップスRCAビクター、Opening Day Entertainment Group
公式サイト canadianbrass.com
メンバー チャールズ・デーレンバック
ジェフ・ネルセン
キース・ディルダ
ジョー・バーグストーラー
ミキオ・ササキ
旧メンバー 下記参照
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カナディアン・ブラス(Canadian Brass)は、1970年チャールズ・デーレンバック、ジーン・ワッツらによって結成された金管五重奏団である。国外でのタイトな公演スケジュールをこなす一方で、100を越えるCDやDVDを録音・録画している。多くの金管五重奏のためのオリジナル作品や編曲作品を委嘱し、演奏し、録音している。

概要と沿革

ワシントン・ポスト」紙上で「世界第一級の金管アンサンブル団体」と評されており、彼らの演奏する曲は幅広く、バロックから古典派ルネサンス中世音楽、さらにはジャズポップスにまで及ぶ。

フォーマルな黒いスーツを着て、白い運動靴を履くという独特の演奏衣装で知られるカナディアン・ブラスは、1975年ワシントンD.C.ケネディ・センターで、アメリカ初演を行った。1977年には、当時のカナダ首相ピエール・トルドーに選ばれて、カナダ中国の文化交流を目的に中国本土に渡り、演奏会を行った。現在中国国内では、彼らは文化大革命西洋音楽が攻撃された後、初めて中国に入国することが許された西洋音楽の演奏家として知られている。

1979年には、室内合奏団として初めてカーネギー・ホールのメイン・ホールで単独演奏会を行った。この演奏会は満員となり、また「ニューヨーク・タイムズ」紙はこの演奏を、「メインステージの呼び物としてのカナディアン・ブラスを明確に確立した」と評した。

40年以上にわたって海外でのタイトな公演スケジュールをこなし、また様々な録音を行っており、ビルボードの音楽チャートでは1970年代、1980年代、1990年代、2000年代のいずれにおいてもランクインし、RCABMGCBSソニーフィリップスデッカといった、金管楽器奏者の録音を行っている文字通り全てのレーベルで録音を行っている。現在は、デーレンバックが社長を務める、トロントのオープニング・デイ・エンターテインメント・グループというレーベルから、録音が発売されている。

メンバー

現在のメンバー

旧メンバー

  • スチュアート・ロートン (Stuart Laughton) – トランペット (1970年–1971年、2003年–2005年)
  • ビル・フィリップス (Bill Phillips) – トランペット (1970年–1972年) ※2023年死去
  • ロナルド・ロム (Ronald Romm) – トランペット、ピッコロ・トランペット (1971年–2000年、「トランペット・ドリーム・チーム」、2006年–2010年)
  • フレッド・ミルズ (Fred Mills) – トランペット、ピッコロ・トランペット (1972年–1996年) ※2009年死去
  • イェンス・リンデマン (Jens Lindemann) – トランペット、ピッコロ・トランペット (1996年–2001年)
  • ライアン・アンソニー (Ryan Anthony) – トランペット、ピッコロ・トランペット (2000年–2003年、「トランペット・ドリーム・チーム」、2006年–2010年) ※2020年死去
  • チャールズ・ラザラス (Charles Lazarus) – トランペット (2005年)
  • ジャスティン・エメリッヒ (Justin Emerich) – トランペット (2005年–2006年)
  • イェルーン・ベルワーツ (Jeroen Berwaerts) – トランペット (「トランペット・ドリーム・チーム」、2006年–2010年)
  • ブランドン・ライデナワー (Brandon Ridenour) – トランペット (「トランペット・ドリーム・チーム」、2006年–2010年、2009年–2013年、2019年–2022年)
  • マノン・ラフランス (Manon Lafrance) – トランペット (「トランペット・ドリーム・チーム」、2006年–2010年)
  • クリス・コレッティ (Chris Coletti) – トランペット (2009年–2019年)
  • ケイレブ・ハドソン (Caleb Hudson) – トランペット、ピッコロ・トランペット (2013年–2023年)
  • ファビオ・ブルム (Fabio Brum) – トランペット (2022年–2023年)
  • アシュリー・ホール=タイ (Ashley Hall-Tighe) – トランペット (2023年–2024年)
  • グレアム・ペイジ (Graeme Page)– フレンチホルン (1970年–1983年)
  • マーティン・ハックルマン (Martin Hackleman) – フレンチホルン (1983年–1986年)
  • デイヴィッド・オハニアン (David Ohanian) – フレンチホルン (1986年–1998年)
  • クリストファー・クーパー (Christopher Cooper) – フレンチホルン (1998年–2000年)
  • ベルンハルト・スカリー (Bernhard Scully) – フレンチホルン (2004年–2007年、2013年–2017年)
  • エリック・リード (Eric Reed) – フレンチホルン (2010年–2013年)
  • ジーン・ワッツ (Gene Watts) – トロンボーン、ユーフォニアム (1970年–2010年)
  • アキレス・リアルマコプーロス (Achilles Liarmakopoulos) – トロンボーン、ユーフォニアム (2011年–2024年)

ディスコグラフィ

アルバム

  • Canadian Brass (1971年、CBC)
  • Make We Joy (1973年、CBC) ※with Festival Singers of Canada
  • Royal Fanfare (1973年、Vanguard)
  • 『パッヘルベルのカノン カナディアン・ブラス・デビュー』 - Canadian Brass in Paris (1974年、Boot)
  • Canadian Brass (1974年、Boot)
  • Canadian Brass: Pachelbel to Joplin (1974年、Welk Group)
  • Plays/Joue Rags (1974年、Radio Canada)
  • 『エンターテイナー』 - Rag-Ma-Tazz (1975年、Vanguard)
  • Pucker & Valve Society Band (1975年、Umbrella)
  • Joyful Sounds (1976年、CBC)
  • National Arts Center Orchestra with the Canadian Brass (1976年、CBC)
  • Canadian Brass (1977年、Umbrella)
  • Canadian Brass Encore (1977年、CBC)
  • Unexplored Territory (1977年、CBC)
  • Toccata, Fugues & Other Diversions (1977年、Umbrella)
  • Bells & Brass (1978年、Good Day)
  • 『スーパー・ハイ・クインテット』 - Mostly Fats: The Canadian Brass Plays Fats Waller's Greatest Hits (1979年、RCA)
  • Unexplored Territory (1978年、CBC) (カナダ・チャート 89位[1]、収録シングル "The Joust" カナダ・チャートAC 38位[2])
  • The Pachelbel Canon: The Canadian Brass Plays Great Baroque Music (1980年、RCA)
  • A Touch of Brass (1980年、CBC)
  • 『ブラスの祭典』 - The Village Band: A Nostalgic Recollection (1980年、RCA)
  • Christmas with the Canadian Brass and the Great Organ of St. Patrick's Cathedral (1981年、RCA)
  • 『バロック・ブラス』 - High, Bright, Light and Clear: The Glory of Baroque Brass (1983年、RCA)
  • 『伝説のチャンピオン』 - Champions (1983年、CBS)
  • 『アルビノーニのアダージョ』 - Brass in Berlin (1984年、CBS)
  • 『カナディアン・ブラスのクリスマス』 - A Canadian Brass Christmas (1985年、CBS)
  • 『カナディアン・ブラス ライヴ!』 - Live! (1985年、CBS)
  • Brass & Bells at Christmas (1985年、Salvation Army)
  • 『ヴィヴァルディ: 協奏曲集「四季」』 - The Four Seasons (1986年、CBS)
  • 『Viva! ガーシュウィン』 - The Canadian Brass Plays George Gershwin (1987年、RCA Victor)
  • 『ベイズン・ストリート』 - Basin Street (1987年、FM)
  • Pachelbel to Joplin (1987年、Vanguard)
  • 『バッハ: フーガの技法』 - Bach: Art of the Fugue (1988年、CBS)
  • 『モーツァルト・アルバム』 - The Mozart Album (1988年、CBS)
  • 『ガブリエリ&モンテヴェルディ』 - Gabrieli/Monteverdi: Antiphonal Music (1989年、CBS)
  • 『カナディアン・ブラス・クリスマス』 - The Christmas Album (1990年、Philips)
  • 『イギリス ルネッサンス音楽』 - English Renaissance Music (1990年、CBS)
  • Red, White & Brass: Made in the USA (1991年、Philips)
  • 『エッセンシャル・カナディアン・ブラス』 - The Essential Canadian Brass (1991年、Philips)
  • 『レッド・ホット・ジャズ~ザ・ディキシーランド・アルバム』 - Red Hot Jazz: The Dixieland Album (1993年、Philips)
  • Wagner for Brass (1993年、Philips)
  • Rejoice! with Brass and Voice (1993年、Canticum Novum)
  • 『ピアノとフォルテのソナタ~ガブリエリ・フォー・ブラス』 - Gabrieli for Brass (1994年、Philips)
  • 『ブラス・オン・ブロードウェイ』 - Brass On Broadway (1994年、Philips)
  • 『カナディアン・ブラスのクリスマス』 - Noel (1994年、RCA Victor)
  • Bolero and Other Classical Blockbusters (1995年、RCA Victor)
  • 『スウィングタイム!』 - Swingtime! (1995年、RCA Victor)
  • Go for Baroque! (1995年、RCA Victor)
  • Ragtime! (1995年、RCA Victor/BMG)
  • 『王宮の花火の音楽~バロック・ブラス・フェイヴァリッツ』 - Fireworks! Baroque Brass Favorites (1995年、RCA Victor)
  • 『ウェリントンの勝利~ブラス・バスターズ』 - Brass Busters! (1995年、RCA Victor/BMG)
  • Brass Theater II (1996年、CORE)
  • 『プレイズ・バーンスタイン』 - Plays Bernstein (1997年、RCA Victor)
  • A Christmas Experiment (1997年、RCA Victor)
  • 『愛こそはすべて~プレイズ・ザ・ビートルズ』 - All You Need Is Love (1998年、RCA Victor/BMG)
  • 『A列車で行こう~カナディアン・ブラス・プレイズ・デューク・エリントン』 - Take the A Train (1999年、BMG)
  • 『バッハ: ゴールドベルク・ヴァリエーション (ゴールドベルク変奏曲)』 - Goldberg Variations (2000年、RCA Victor)
  • 『アメイジング・ブラス』 - Amazing Brass (2002年、Opening Day)
  • Sweet Songs of Christmas (2002年、Opening Day)
  • 『セイクリッド・ブラス - ミゼレーレ~パレストリーナ、アレグリ&ジェズアルドのルネサンス音楽集』 - Sacred Brass (2002年、BMG)
  • A Holiday Tradition (2003年、True North)
  • 『マジック・ホルン』 - Magic Horn (2004年、Opening Day)
  • Joyful Sounds (2005年、Opening Day) ※with organ and choir
  • Concert Band Essentials (2007年、Opening Day)
  • Christmas Tradition (2007年、Opening Day)
  • High Society (2005年、Opening Day)
  • Wedding Essentials (2006年、Opening Day)
  • People of Faith (2006年、Opening Day) ※with Elmer Iseler Singers
  • Echo: Glory of Gabrieli (2009年、Opening Day)
  • A Christmas Gloria (2007年、Mormon Tabernacle Choir)
  • Die Kunst Der Fuge (2007年、Sony)
  • Jazz Roots (2008年、Opening Day)
  • Manhattan Music (2008年、Opening Day)
  • Bach (2008年、Opening Day)
  • Legends (2008年、Opening Day)
  • Swing That Music – A Tribute to Louis Armstrong (2010年、Opening Day)
  • Stars & Stripes: Canadian Brass Salute America (2010年、Opening Day) ※with members of NEXUS
  • A Very Merry Christmas (2010年、Opening Day) ※with various artists
  • Spirit Dance (2010年、Opening Day)
  • The Classics: From Pachelbel to Purcell (2011年、Opening Day)
  • The Classics: Between Bach & Handel (2011年、Opening Day)
  • The Classics: Mozart & More (2011年、Opening Day)
  • Brahms On Brass (2011年、Opening Day)
  • Takes Flight (2011年、Opening Day)
  • Schumann: Carnaval (2013年、Opening Day)
  • Christmas Time Is Here: The Encore! (2013年、Opening Day)
  • Great Wall of China (2014年、Opening Day)
  • Perfect Landing (2015年、Opening Day)
  • Canadiana (2021年、Linus)

脚注

外部リンク




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