オーストリアン・オーディオとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > オーストリアン・オーディオの意味・解説 

オーストリアン・オーディオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/24 18:45 UTC 版)

オーストリアン・オーディオ
現地語社名
Austrian Audio GmbH
種類
有限会社
業種 電気製品
事業分野 音響機器
前身 AKGウィーンオフィス
設立 2017年7月
創業者 マルティン・ザイドル
本社
製品 マイクロフォンヘッドフォン
親会社 DPAマイクロホン (2025-)
ウェブサイト austrian.audio

オーストリアン・オーディオAustrian Audio)は、オーストリアウィーンを拠点とする音響機器メーカー。主にプロフェッショナル向けのマイクロフォンとヘッドフォンに特化している[1][2]2017年7月に設立された。設立のきっかけは、同年にAKGアコースティックスのウィーンオフィスが閉鎖されたことであり、このオフィスの元従業員によって設立されている[3][4][5][6][7]2025年1月、デンマークの音響機器メーカー・DPAマイクロホンに買収された[8]

略歴

背景

オーストリアン・オーディオのルーツは、オーストリアAKGオフィスの閉鎖にある[9]。AKGは、元々1947年ウィーンでルドルフ・ゲリケ(: Rudolf Görike)とエルンスト・プレス(: Ernst Pless)によって設立され、当初は、スピーカー映写機露出計といった映画館用の技術製品を製造していた。この業務範囲が徐々に拡大し、車のホーンやドアのインターホン電話用のカーボンマイクロフォンカプセル、そしてヘッドフォンやクッションスピーカーを製造するようになった[10]。AKGアコースティックスは、当初オーストリア国内で製造を行っていたが、製造コストを考慮した結果、高級製品の製造をスロバキアで、そのほかの製品を中華人民共和国で製造するようになった[11]

1993年、AKGアコースティックスは1シリングという象徴的な価格で、ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ: Harman International Industries)に買収された[11]2016年暮れには、ハーマンは韓国サムスングループによって買収された[7][12]。この買収に続いて、130人が雇用されているウィーン市リージンク英語版の工場を含む、オーストリアに所在するAKGアコースティックスのオフィスを2017年中頃までに完全に閉鎖し、完全に移転することを発表した[11]。一部の従業員は、ドイツハンガリーといった別の国の施設に移籍の提案を受けた。端的に言えば、AKGはサムスングループのハーマン部門が保有するブランドとしてのみ存続することになったといえる。AKGの製品開発は、東ヨーロッパに所在するハーマンの施設で行われることになった[12]

2017年以降

2017年7月、AKGのオーストリア拠点が完全に閉鎖されたことで、AKGウィーンオフィスの元従業員22人を中心にオーストリアン・オーディオ(Austrian Audio)が設立された。設立に携わった元従業員の専門分野は、経営管理音響電気、計測試験、メカニカル・デザイン無線技術、そしてソフトウェアファームウェアなど多岐に渡った[6][7]

2025年1月、デンマークDPAマイクロホンがオーストリアン・オーディオの株式の半数を取得し、買収された[8]。買収後も、引き続きウィーンで製品開発を行い、オーストリアン・オーディオのブランドも維持するとしている[8]

脚注

  1. ^ Wiener Start-up Austrian Audio erobert den Weltmarkt - TOP LEADER”. top-leader.at/. 2024年5月15日閲覧。
  2. ^ Austrian Audio: This Issue's Creator of Capsules” (英語). tapeop.com. 2024年5月15日閲覧。
  3. ^ About us - Austrian.Audio The Story and the Team of Austrian Audio” (英語). Austrian.Audio. 2024年5月8日閲覧。
  4. ^ MSV” (ドイツ語). MSV. 2024年5月8日閲覧。
  5. ^ Austrian Audio: This Issue's Creator of Capsules” (英語). tapeop.com. 2024年5月8日閲覧。
  6. ^ a b Rotter, Alexandra. “Austrian Audio im Portrait” (ドイツ語). die wirtschaft. 2024年5月15日閲覧。
  7. ^ a b c Ehemalige AKG Mitarbeiter gründen neue Firma – AUSTRIAN AUDIO Geschäftsführer Martin Seidl im Interview › rockmagazine.net” (ドイツ語) (2018年8月29日). 2024年5月15日閲覧。
  8. ^ a b c DPA Microphones、Austrian Audioを買収。製品ラインナップを大幅拡充へ」『PRONEWS』2025年1月14日。2025年1月24日閲覧。
  9. ^ Made in Vienna ... again - NEWS” (ドイツ語). www.newbusiness.at. 2024年5月15日閲覧。
  10. ^ Beyerle, Tulga; Hirschberger, Karin (2013-03-04) (英語). A Century of Austrian Design: 1900-2005. Walter de Gruyter. ISBN 978-3-0346-0889-3. https://books.google.com/books?id=4666-dlamoEC&pg=PA181 
  11. ^ a b c Kopfhörer: AKG-Werk in Wien schließt” (ドイツ語). DER STANDARD. 2024年5月15日閲覧。
  12. ^ a b Samsung Electronics to Acquire HARMAN, Accelerating Growth in Automotive and Connected Technologies”. HARMAN Newsroom. 2024年5月15日閲覧。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  オーストリアン・オーディオのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オーストリアン・オーディオ」の関連用語

1
4% |||||

オーストリアン・オーディオのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オーストリアン・オーディオのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオーストリアン・オーディオ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS