オキシフェドリン
オキシフェドリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/16 22:48 UTC 版)
![]() |
|
IUPAC命名法による物質名 | |
---|---|
|
|
臨床データ | |
販売名 | Ildamen, Modacor, Myofedrin |
Drugs.com | 国別販売名(英語) International Drug Names |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 経口: 85%[1] |
血漿タンパク結合 | ほぼ 100%[1] |
代謝物質 | ノルエフェドリン[2] |
半減期 | 4.2 時間[1] |
排泄 | 尿 (活性代謝物 90%)[1] |
データベースID | |
CAS番号 |
15687-41-9 ![]() |
ATCコード | C01DX03 (WHO) |
PubChem | CID: 5489013 |
ChemSpider | 4590049 |
UNII | DWL616XF1K ![]() |
KEGG | D08321 ![]() |
ChEMBL | CHEMBL1651913 |
別名 | Oxyfedrin; Oxyphedrine; Oxyphedrin; Oxifedrine; Oxifedrin; Oxiphedrine; Oxiphedrin |
化学的データ | |
化学式 | |
分子量 | 313.40 g·mol−1 |
|
|
|
オキシフェドリン(英:Oxyfedrine)は、Ildamen、Myofedrinなどの商品名で販売されている、虚血性心疾患、狭心症、急性心筋梗塞の治療に使用されるアドレナリン作動薬であり、冠血管拡張薬である[1][3][4][5][6]。経口投与または静脈注射で投与される[1]。
β-アドレナリン受容体のパーシャルアゴニストとして作用する[1][7]。主要な活性代謝物であるノルエフェドリンを介して、ノルエピネフリン放出薬として作用することもある[2]。オキシフェドリンはフェネチルアミンおよびアンフェタミン誘導体である[6][7]。
オキシフェドリンはヨーロッパ、香港、インド、中央アメリカなどで販売されている[4][8][9]。現在ではインドでのみ販売されているようだ[9]。
薬理学
薬力学
オキシフェドリンはβ-アドレナリン受容体のパーシャルアゴニストである[1][7]。β1-およびβ2-アドレナリン受容体に対して非選択的と考えられる[7]。α-アドレナリン受容体よりもβ-アドレナリン受容体に選択的である[7]。しかし、高濃度でα-アドレナリン受容体と相互作用し、これらの受容体のパーシャルアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することも報告されている[7]。ノルエピネフリン放出薬であるノルエフェドリンは、オキシフェドリンの主要な活性代謝物であるため、オキシフェドリンは間接的にアドレナリン作動薬として作用する可能性がある[2]。
冠血管の緊張を抑制し、心筋代謝を改善し(心臓が低酸素状態を維持しやすくなる)、また、正のchronotropic・強心作用を及ぼし[1]、狭心症を誘発しないことが判明している。狭心症に使用される他の血管拡張薬が逆効果となりcoronary steal phenomenonを引き起こす可能性があるため、後者の特性(正のchronotropic作用と強心作用)は特に重要である[additional citation(s) needed]。
化学的にも薬理学的にも他の抗狭心症薬とは無関係である[1]。
薬物動態学
オキシフェドリンの経口バイオアベイラビリティは85%である[1]。血漿タンパク結合はほぼ100%である[1]。半減期は4.2時間である[1]。ノルエフェドリンはオキシフェドリンの主要な活性代謝物である[2]。オキシフェドリンの活性代謝物の尿中排泄率は90%である[1]。オキシフェドリンの約75~100%がノルエフェドリンとして排泄される[2]。
化学
オキシフェドリンは置換フェネチルアミンおよびアンフェタミン誘導体である[7]。窒素原子にbulkyな親油性の3-メトキシプロピオフェノン置換基を持つl-ノルエフェドリンである[7]。
フェニルプロパノールアミン(1)とホルムアルデヒドおよびm-アセトアニソール(3-アセチルアニソール)(2)とのマンニッヒ反応により、オキシフェドリン(3)が得られる[10]。

研究
細菌に対する抗生物質とオキシフェドリンの相乗効果が示唆されている[11]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “Clinical pharmacokinetics of vasodilators. Part II”. Clin Pharmacokinet 35 (1): 9–36. (July 1998). doi:10.2165/00003088-199835010-00002. PMID 9673832.
- ^ a b c d e “Excretion of norephedrine by man after oral administration of oxyfedrine”. Eur J Clin Pharmacol 8 (3–4): 161–166. (April 1975). doi:10.1007/BF00567109. PMID 1233214.
- ^ The Dictionary of Drugs: Chemical Data: Chemical Data, Structures and Bibliographies. Springer US. (2014). p. 923. ISBN 978-1-4757-2085-3 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b Schweizerischer Apotheker-Verein (2000). Index Nominum 2000: International Drug Directory. Medpharm Scientific Publishers. p. 777. ISBN 978-3-88763-075-1 2024年8月29日閲覧。
- ^ Concise Dictionary of Pharmacological Agents: Properties and Synonyms. Springer Netherlands. (2012). p. 212. ISBN 978-94-011-4439-1 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b “Oxyfedrine: Uses, Interactions, Mechanism of Action”. DrugBank Online (2017年6月23日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Oxyfedrine--a partial agonist at -adrenoceptors”. Eur J Pharmacol 20 (2): 161–170. (November 1972). doi:10.1016/0014-2999(72)90145-8. PMID 4405576.
- ^ “List of Vasodilators”. 2012年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ a b “List of Vasodilators”. 2021年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Thiele Kurt, アメリカ合衆国特許第 3,225,095号 (1965 to Degussa)
- ^ “In vitro and in vivo synergism between tetracycline and the cardiovascular agent oxyfedrine HCl against common bacterial strains”. Biological & Pharmaceutical Bulletin 28 (4): 713–7. (April 2005). doi:10.1248/bpb.28.713. PMID 15802815 .
- オキシフェドリンのページへのリンク