エリコンKCA 30mm機関砲とは? わかりやすく解説

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エリコンKCA 30 mm 機関砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 07:18 UTC 版)

エリコンKCA
種類 航空機関砲
原開発国 スイス
諸元
重量 142 kg[1]
銃身 75口径長[1]

弾丸 30×173mm弾[1]
口径 30mm
銃砲身 1
作動方式 ガス圧作動リヴォルヴァーカノン[1]
発射速度 1,350発/分[1]
初速 1,030 m/s (3,400 ft/s)[1]
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エリコンKCA 30 mm 機関砲英語: Oerlikon KCA 30 mm autocannon)は、エリコン社が開発した30mm口径リヴォルヴァーカノン。当初は304-Rkと称されていた[2]

設計

第二次世界大戦の終結後、エリコン社はドイツ国マウザー社の設計陣の1人だったF・リンダー技師を迎えて、リヴォルヴァーカノンの開発に着手した[2]プロトタイプとして、20mm口径の204-Rk、20mm、25mmおよび30mm口径の251-Rk、そして30mm口径の301-Rkおよび302-Rkが製作されたのち、製品版として開発されたのが304-Rkであった[2]

上記の経緯もあり、本砲はマウザーMG 213の系譜に連なる設計を採用している[2]。シリンダは4つの薬室を有し、ガス圧により作動して、1,350発/分の発射速度を発揮できる[2]。マウザーMG 213の系譜に連なるリヴォルヴァーカノンとしては、本砲のほかにもフランスDEFA 550イギリスADENがあるが、これらはいずれも30×113mm弾を使用するのに対して、本砲ではより弾頭重量が重く初速が速い新開発の30×173mm弾を採用した[3]。この弾薬はイスパノ・スイザ社の30×170mm弾をもとに薬莢をわずかに延長したもので[4][注 1]、後にアメリカ合衆国で開発されたガトリング砲であるGAU-8/Aチェーンガンであるブッシュマスター IIでも採用された[3]

実装

本砲は主に航空機関砲として用いられており、サーブ 37 ビゲンに搭載されたほか、1972年にはトーネード IDSへの搭載を検討するための試験が行われたが、こちらは落選した[2]。また1971年には、アメリカ空軍ヒューズ社によるライセンス生産版を発注し、GAU-9/Aとして制式番号を付与したものの、GAU-8/Aの開発成功に伴って、こちらも採用には至らなかった[2]

脚注

注釈

  1. ^ 30×170mm弾はオチキス社の25 mm機関砲弾(25×163mm弾)をベースに全長を延長するとともにネック径を拡張したものであり[5]、イスパノ・スイザ社のHS.831(のちのエリコンKCB)のほかイギリスラーデン砲英語版でも採用された[4]

出典

  1. ^ a b c d e f LEADERSHIP IN CANNON DESIGN”. 2022年11月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Chinn 1987, pp. 431–442.
  3. ^ a b Hooton 1998.
  4. ^ a b Gander 2001, §CANNON.
  5. ^ Williams 2022, pp. 281–282.

参考文献

関連項目




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