エピソード―ライバルのゴム園計画を頓挫させる―
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 09:06 UTC 版)
「愛久澤直哉」の記事における「エピソード―ライバルのゴム園計画を頓挫させる―」の解説
台湾銀行頭取に中川小十郎が就任していた時代すなわち1920年(大正9年)から1925年(大正14年)に起きたエピソードである。マレー半島のセバンタナメラに華僑の一成功者が経営する8万エーカーにのぼる南洋最大のゴム園があった。これをこの華僑の知人の小笠原三九郎が手に入れることを企画した。しかしこの計画に反対したのが愛久澤直哉である。小笠原の評伝は以下のように云う。「南洋の大部分のゴム栽培業者は、直接間接にこの三五公司の世話になっていない者はないというほどだったので、愛久澤の一挙手一投足は、南洋ゴム園界の意向を決定づける力をもっていた。愛久沢は、小笠原のセバンタメラのゴム園買収計画を知って、自分のゴム園の何倍もあるゴム園が出現することははなはだ面白くないというつまらぬ感情から、小笠原の計画に反対してきたのであった。《中略》(愛久澤は)南方発展の先駆者ではあったが、器宇の狭いところがあり、台湾銀行に小笠原のセバンタメラのゴム園買収を断念せしめるよう執拗にせまった。」小笠原も、中川台銀頭取に再考を求めたが、結局買収を断念した。小笠原にとっては、「日本人の南方発展のために決意して、しかも、日本人側の反対のため実現できなかった最大の恨事であった」とのことである。
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