エアリーの応力関数による説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/02 15:18 UTC 版)
「力の流れ」の記事における「エアリーの応力関数による説明」の解説
力の流れで応力状態を知ることができる理論的背景のひとつは、エアリーの応力関数と流れ関数の相似性である。2次元応力状態において、応力関数 φ は重調和関数(∇4φ = 0)であり、境界上で ϕ = c o n s t , ∂ ϕ ∂ n = 0 {\displaystyle \phi =\mathrm {const} ,\quad {\frac {\partial \phi }{\partial n}}=0} を満たす。ここで n は境界の法線方向ベクトルである。また応力関数 φ により、単位厚さあたりの合力 p = (px, py) を p x = ∂ ϕ ∂ y , p y = − ∂ ϕ ∂ x {\displaystyle p_{x}={\frac {\partial \phi }{\partial y}},\quad p_{y}=-{\frac {\partial \phi }{\partial x}}} と書くことができる。 一方、2次元非圧縮性流れに対して、流れ関数 ψ は調和関数(∇2ψ = 0)であり、境界上で ∂ ψ ∂ t = 0 , ∂ ϕ ∂ n = 0 {\displaystyle {\frac {\partial \psi }{\partial t}}=0,\quad {\frac {\partial \phi }{\partial n}}=0} を満たす。ここで t は境界の接線方向ベクトルである。また流れ関数 ψ により、速度(流線の接線ベクトル) u = (ux, uy) を u x = ∂ ψ ∂ y , u y = − ∂ ψ ∂ x {\displaystyle u_{x}={\frac {\partial \psi }{\partial y}},\quad u_{y}=-{\frac {\partial \psi }{\partial x}}} と書くことができる。 以上のように、単位厚さあたりの合力 p と速度 u が類似の微分方程式を満たすことから“力”を“流れ”であるかのように扱うことができる。 この方法は厳密には平面応力状態の場合にしか適用できないが、3次元応力状態を定性的に捉えたい場合にも近似的に適用される。
※この「エアリーの応力関数による説明」の解説は、「力の流れ」の解説の一部です。
「エアリーの応力関数による説明」を含む「力の流れ」の記事については、「力の流れ」の概要を参照ください。
- エアリーの応力関数による説明のページへのリンク