力の流れとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 力の流れの意味・解説 

力の流れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/02 15:18 UTC 版)

Jump to navigation Jump to search

力の流れとは、材料力学において固体材料内の応力分布を流線のように表示する図示方法である。力の流線[1]力線とも呼ばれる。

性質

力の流れは以下の性質を持つ。

  • 固体内部を通る互いに交わらない曲線群である。
  • 境界面(材料表面)との関係において、外力を負荷する面とのみ交差し、外力のはたらかない面とは交わらない。
  • 流れが平行な所では、流れの方向に向かって応力は変化しない[1]
  • 流れが密となる所、流れが曲がる所では、応力は高くなる[1]。たとえば材料内の円孔周りの応力集中は、力の流線が孔を回避するように曲がり、密になることから説明される。

理論的背景

力の流れについて定まった理論的根拠は存在しない。そのため手法がいくつか提案されている。

主応力による説明
光弾性試験による説明
光弾性試験を行い、その応力状態に応じた縞模様によって定義される。

エアリーの応力関数による説明

力の流れで応力状態を知ることができる理論的背景のひとつは、エアリーの応力関数流れ関数の相似性である。2次元応力状態において、応力関数 φ重調和関数4φ = 0)であり、境界上で

を満たす。ここで n は境界の法線方向ベクトルである。また応力関数 φ により、単位厚さあたりの合力 p = (px, py)

と書くことができる。

一方、2次元非圧縮性流れに対して、流れ関数 ψ調和関数2ψ = 0)であり、境界上で

を満たす。ここで t は境界の接線方向ベクトルである。また流れ関数 ψ により、速度(流線の接線ベクトル) u = (ux, uy)

と書くことができる。

以上のように、単位厚さあたりの合力 p と速度 u が類似の微分方程式を満たすことから“力”を“流れ”であるかのように扱うことができる。 この方法は厳密には平面応力状態の場合にしか適用できないが、3次元応力状態を定性的に捉えたい場合にも近似的に適用される。

脚注

[ヘルプ]
  1. ^ a b c 遠田治正 『CAEのための材料力学』 日刊工業新聞社、2015年、69頁。ISBN 978-4-526-07374-8 

「力の流れ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「力の流れ」の関連用語

力の流れのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



力の流れのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの力の流れ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS