材料力学とは? わかりやすく解説

ざいりょう‐りきがく〔ザイレウ‐〕【材料力学】


材料力学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/31 20:17 UTC 版)

材料力学(ざいりょうりきがく、英語: strength of materials, mechanics of materials)は応用力学の一分野で、機械構造物固体材料に荷重が加わったときの変形、そして破壊原理を研究する学問である。

広義と狭義

「材料力学」は、必要な環境下での材料の変形・破損・破壊特性を知るための学問である。実際の機械や構造物にどのような荷重が負荷し、それにより部材にどのような応力変形が生じるかを調査・解析し、理論と実験の両面から材料と構造の健全性評価を取り扱うものである[1]

狭義の材料力学は、弾性力学に立脚した固体の弾性解析のうち、棒や軸などの一次元の構造や一次元の部材を組み合わせた単純な構造物の強度設計ならびに剛性設計を行うための基礎的な学問分野を指す。棒の引っ張りと圧縮、軸のねじり、はり(梁)の曲げとたわみ、柱の座屈といった一次元構造物の比較的単純な変形を想定し、荷重やモーメントなどの外力が負荷する場合の構造物の変形を取り扱う[2][3][4]。大学の講義としての材料力学は、概して狭義の定義に従う場合が多い。土木工学建築学における構造力学の内容も、この狭義の材料力学の内容に近い。構造力学と狭義の材料力学との違いは、材料力学では主に一つの構成部材を対象として変形や応力を解析することが多いのに対し、構造力学では複数の連結された部材からなる構造物の変形や応力を主な評価対象とする点である。このため、材料力学は構造力学の基礎の一つといえる。

広義の材料力学は,二次元・三次元の固体構造物の変形を扱う弾性力学・固体力学や、切欠きやき裂の健全性を評価する材料強度学破壊力学、材料の非線形・非弾性変形を扱う弾塑性力学・粘弾性力学まで含んだ広い領域を指す。近年では固体力学における構造解析にはもっぱら有限要素法が用いられるので,有限要素法境界要素法などの数値解析を含む学問領域も広義の材料力学に含まれると言える。さらにはひずみゲージやデジタル画像相関法等を用いたひずみ測定理論、超音波やX線を用いた材料・構造の非破壊検査技術、光弾性法や赤外線を用いた応力の可視化技術等も広義の意味で材料力学の範疇に含まれる。

主な内容

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク


「材料力学」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



材料力学と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「材料力学」の関連用語

1
材料強弱学 デジタル大辞泉
100% |||||


3
四力学 デジタル大辞泉
72% |||||

4
機械工学 デジタル大辞泉
72% |||||


6
切欠き デジタル大辞泉
38% |||||




10
34% |||||

材料力学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



材料力学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの材料力学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS