スタマティ:ウェーバーの歌劇「オーベロン」の歌による6つの性格的練習曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スタマティ:ウェーバーの歌劇「オーベロン」の歌による6つの性格的練習曲 | Six Études caractéristiques sur des airs d'Obéron (Weber) Op.33 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | Chœur des Génis | 3分30秒 | No Image |
2 | Barcarolle | 3分30秒 | No Image |
3 | Ronde de Nuit | 3分00秒 | No Image |
4 | Ariette de Fatime | 4分30秒 | No Image |
5 | Vision | 6分00秒 | No Image |
6 | Séduction et Magie | 4分30秒 | No Image |
作品解説
1857年、パリのリリック座における《オベロン》の大成功に合わせて、この劇場で演奏されたヴァージョンのスコアが発売された。スタマティはこのセンセーションに乗る形で《オベロン》を題材に取り上げたのだろう。各曲は原曲の一シーンを扱っているが、時には序曲や他の情景の旋律が引用され入念に構成されている点で安易なオペラ・パレフレーズに堕していない。いずれも原曲に忠実な部分と原曲音型に基づく創作部分によって組み立てられている。特に、パラフレーズの大家W.クリューガーに献じられた第5番《幻影》では、最後の部分で序曲の旋律と第1幕第3景の旋律音型が組み合わされ、全く異なる場面の旋律が音楽的に統合されるという巧みな手法が光る。第6番では第3幕のフィナーレとそれに先立つバレエの旋律で三部形式を構成している。パラフレーズというジャンルを練習曲に取り込んだ結果、各曲は特定音型の反復によって書かれる従来の一般的な練習曲書法から遠ざかり、よりシンフォニックで劇的な効果が全面に押し出されている。親しいピアニスト兼作曲家たちに献呈。
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