ウィリアム・トムソン_(地質学者)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ウィリアム・トムソン_(地質学者)の意味・解説 

ウィリアム・トムソン (地質学者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 07:28 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
Guglielmo Thomson
ウィリアム・トムソン
生誕 William Thomson
1760年
イギリスウスター
死没 1806年11月(46歳没)
イタリアパレルモ
居住 イタリアナポリ
研究分野 地質学
主な業績 ウィドマンシュテッテン構造の発見
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

ウィリアム・トムソン(William Thomson、1760年-1806年11月[1])は、イギリス生まれの地質学者アロイス・フォン・ベッカー=ウィドマンシュテッテンに先立ってウィドマンシュテッテン構造を発見した[1]。1792年にイタリアに移住してからは、イタリア風にGuglielmo Thomsonと名乗った[1]

生涯

1760年にウスターで生まれたウィリアム・トムソンは、1776年にオックスフォードクイーンズ・カレッジに入学し、1780年に学士 (Bachelor of Arts) として卒業した[1]。1781年から翌年にかけてエディンバラ大学薬学を学びながら、ジョゼフ・ブラックの下で化学を学んだ。1784年、トムソンはSociety for Natural History(ロンドン・リンネ協会の前身)に入会した。

1790年11月、使用人の少年と男色行為を行ったとの嫌疑からオックスフォードを追われたトムソンは、1791年にイギリスを出国し、生涯二度と戻ることはなかった。1792年4月にナポリに到着したトムソンは、そこに移住した。1806年、パレルモで46歳で死去した。

ウィドマンシュテッテン構造の発見

ウィドマンシュテッテン構造は、鉄隕石を硝酸でエッチングすると現れる。

トムソンは錆を落とす目的でクラスノヤルスク隕石硝酸に浸した。隕石と硝酸が接すると、トムソンはすぐに見たこともない奇妙な構造に気付いた。これは、後にウィドマンシュテッテン構造と呼ばれるものであった。1804年、トムソンはこの発見についての論文をジュネーブの科学月刊誌Bibliotheque Britannique誌にフランス語で発表した[1][2][3]。彼の死後の1808年にはAtti dell'Accademia Delle Scienze di Siena誌にイタリア語でも発表された[4]

しかし、トムソンが早逝したこと、また英語で論文を発表しなかったことから、世に広く知られることなく、その功績はオーストリアのアロイス・フォン・ベッカー=ウィドマンシュテッテンのものとされている。ウィドマンシュテッテンはトムソンに独立して発見したが、それは1808年のことであり、また論文も書かれていない。そのため、年代順に従えば、発見の全ての優先権はトムソンに与えられるべきであった。このような理由から、ウィドマンシュテッテン構造をトムソン構造と呼ぶことを提唱する研究者もいる[1][2][5]

出典

  1. ^ a b c d e f The origins of geology in Italy. Geological Society of America. (2006). ISBN 0-8137-2411-2. https://books.google.com/books?id=rmrGS9s-KewC&pg=PA184 
  2. ^ a b John G. Burke (1986). Cosmic Debris: Meteorites in History. University of California Press. ISBN 0-520-05651-5 
  3. ^ Paneth, F.A. (1960). “The discovery and earliest reproductions of the Widmanstätten figures”. Geochimica et Cosmochimica Acta 18 (3-4): 176-182. Bibcode1960GeCoA..18..176P. doi:10.1016/0016-7037(60)90085-5. ISSN 0016-7037. 
  4. ^ G.Thomson. Saggio di G.Thomson sul ferro Malleabile trovato da Pallas in Siberia. Atti dell'Accademia Delle Scienze di Siena, 1808, IX, p.37
  5. ^ O. Richard Norton. The Cambridge encyclopedia of meteorites. Cambridge, Cambridge University Press, 2002. ISBN 0-521-62143-7.



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ウィリアム・トムソン_(地質学者)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ウィリアム・トムソン_(地質学者)」の関連用語

ウィリアム・トムソン_(地質学者)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ウィリアム・トムソン_(地質学者)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウィリアム・トムソン (地質学者) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS