イボニシ全体と二型の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 14:05 UTC 版)
「イボニシ」の記事における「イボニシ全体と二型の関係」の解説
イボニシに色々な形態のものが存在することは古くから認識されており、日本産のものでも現在使用されている学名の元となった Purpura clavigera Küster, 1858 という貝の他に、Purpura problematica Baker, 1891と名付けられたものがある。後者 problematica は前者 clavigera の変異に過ぎないと見なされ、永年シノニムとされてきたが、田辺湾の二型を研究した阿部(1985)は、C型は clavigera に、P型は problematica にそれぞれ対応すると結論した。ただし両者が別種かどうかは不明とも述べている。 これに対し、二型の遺伝的違いを研究したHayashi(1999)は、田辺湾にはC・P二型しか生息しないが、日本各地に見られるものの多くはC・P型とは異なる別の型であり、C・P型に似たものも少数出現するが、それらと田辺湾のC・P型との関係は不明であるとしている。更に clavigera や problematica のタイプ標本(学名の基準となる標本)が田辺湾のものでない以上、学名との対応も不明である旨を述べている。
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