イガクサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/04/20 05:16 UTC 版)
イガクサ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Rhynchospora rubra (Lour.) Makino |
イガクサ (Rhynchospora rubra (Lour.) Makino) は、単子葉植物カヤツリグサ科ミカヅキグサ属の多年草である。イガのような丸い穂を一つだけつける。
特徴
地下茎はごく短く、細長い葉を根生する。匍匐枝は出さない。葉は幅1.5-3mmでやや柔らか、ほとんど地表近くにあり、やや立ち上がる。
花は夏にでる。根出葉の間から伸びる花茎は高さ20-40cmにもなり、直立するかやや垂れる。分枝はなく、また途中に葉をつけることもなく、先端に単一の花序をつける。花序は多数の小穂が頭状に集まったもので、全体としては球形から半球形、径15mm程度、ただし個々の小穂の先がとがっているので、まるで栗のいがのように見える。和名もこれによる。花序の基部には5-10枚の苞があり、細く針状に伸びた葉身がロゼット状に並ぶ。
小穂は長さ6-7mm、黄褐色でつやがあり、先のとがった針状披針形。鱗片は螺旋状に重なるが、実際に花があるのはごく少数(3-4花)で、最下の花のみが雌雄を備え、果実もこれに付く。それより上の花は雄花となっている。果実は倒卵形、柱頭は細長く伸びて先端が分枝しない。これはカヤツリグサ科(ほとんどは柱頭の先端が二裂か三裂する)では珍しい特徴である。花被に由来する針状付属物はごく短く、果実の長さの半分以下にしかならない。この点でも日本の同属では例外的である。
生育環境
湿地にはえる。日当たりのよいところに多く、水の滲み出す岩の上に出る例もある。まばらに群生する。コモウセンゴケやアリノトウグサなどとよく一緒に生える。
分布
日本では本州(近畿以西)から琉球まで分布する。国外では中国、台湾からインド、インドネシア、オーストラリアまで知られる。
近縁種等
日本産のものの多くはイヌノハナヒゲなどよりひょろっとした草で、まばらに分かれた枝先に少数を頭状につけ、それぞれの小穂の数は少ない。はっきりした頭状花序をつけるものにミクリガヤ Rhynchospora malasica C. B. Cralke があるが、時に1mに達するはるかに大きい草で、花茎には複数の花序を何段にもつける。
利害
何もなし。
参考文献
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