アリチアミンとは? わかりやすく解説

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アリチアミン

分子式C15H22N4O2S2
その他の名称アリチアミン、Allithiamine、N-[(4-Amino-2-methyl-5-pyrimidinyl)methyl]-N-[4-hydroxy-1-methyl-2-(2-propenyldithio)-1-butenyl]formamide、N-[(2-Methyl-4-aminopyrimidine-5-yl)methyl]-N-[1-methyl-4-hydroxy-2-(allyldithio)-1-butenyl]formamide
体系名:N-[(4-アミノ-2-メチル-5-ピリミジニル)メチル]-N-[4-ヒドロキシ-1-メチル-2-(2-プロペニルジチオ)-1-ブテニル]ホルムアミド、N-[(2-メチル-4-アミノピリミジン-5-イル)メチル]-N-[1-メチル-4-ヒドロキシ-2-(アリルジチオ)-1-ブテニル]ホルムアミド


アリチアミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/30 04:36 UTC 版)

アリチアミン
IUPAC命名法による物質名
データベースID
CAS番号
554-44-9
ATCコード None
PubChem CID: 3037212
ChemSpider 2301021 
化学的データ
化学式
C15H22N4O2S2
分子量 354.49 g/mol
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アリチアミン: Allithiamine)は、ニンニク独特の臭気成分であるアリシンと水溶性のビタミンB1(チアミン)が会合することによって生成される化合物である。

ニンニクの細胞が破壊されることによってニンニクに含まれる無臭のアリインと酵素アリナーゼとが会合し、ニンニク独特の臭気成分のアリシンに変化する。このアリシンが水溶性のビタミンB1と会合することによりアリチアミンに変化する。

ビタミンB1分解酵素(チアミナーゼ)から分解されにくくなり、また、チアミンよりも吸収率がよくなるといわれている。

アリチアミンについて次のような歴史が存在する。1952年(昭和27年)3月8日に京都大学医学部衛生学教室の藤原元典は、武田薬品工業研究部と提携してニンニクとビタミンB1が反応するとニンニクの成分アリシンがB1(チアミン)に作用してできる「アリチアミン」ができると報告した[1]。そのアリチアミンは、体内でB1にもどり、さらに腸管からの吸収がきわめてよく、血中B1濃度の上昇が顕著で長時間つづく、という従来のビタミンB1製剤にはない特性があることを報告した[2]。また、武田薬品工業は、アリチアミンの製剤化に力を入れ、1954年(昭和29年)3月、アリチアミンの誘導体であるプロスルチアミンの内服薬「アリナミン錠」が発売され、従来のビタミンB1剤に見られない優れた効果を示した[3]

脚注

  1. ^ FUJIWARA, Motonori、WATANABE, Hiroshi「Allithiamine, a Newly Found Compound of Vitamin B1」『Proceedings of the Japan Academy』第28巻第3号、the Japan Academy、1952年3月12日、156-158頁、doi:10.2183/pjab1945.28.156ISSN 0021-42802020年1月25日閲覧 
  2. ^ 藤原元典、1953、「アリチアミンの発見」、『ビタミン』6巻、日本ビタミン学会、doi:10.20632/vso.6.0_857NAID 10002872164 pp. 857-862
  3. ^ 山下政三『鴎外森林太郎と脚気紛争』日本評論社、2008年、459-460頁



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