アリの行動に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 15:14 UTC 版)
セクロピアに住み着くアステカアリの場合、この植物にやってくる小動物からほ乳類に至るまでを攻撃することが知られており、この植物の捕食者を退ける役割を果たしている。また、この植物に巻き付く蔓を切り、周辺の植物の葉を食いちぎることも知られており、これは植物にとっての競争者を排除する役割を担うことになる。アリアカシアでも、住み着くアリがアカシアを食べようとする草食動物を攻撃することが知られている。 これに対して栄養補給型のアリ植物に生息するアリではそのような攻撃的な行動は少なく、植物を守るような行動も目立たないといわれる。しかしたとえばアケビカズラはその袋状の葉に根が入り込み、明らかに栄養をここで吸収していると見られるが、他方でそれを採集しようとするとアリに攻撃されると伝えられる。トウサゴヤシの場合も、 Holttumは必ずアリが入っているとは限らないこと、アリへの直接の餌供給がないことなどを記しているが、アッテンボローはこれにふれると激しくアリの攻撃を受けると記している。 種子散布にもアリが絡む例が知られている。マメヅタカズラ属では種子は地上に落下するが、その後にこれをアリが運ぶ。アリ植物であるシダ類では、胞子嚢に脂肪体が付属しており、やはりアリに運ばれる。マメヅタカズラ属では、花粉もアリによって媒介される可能性があり、これがこの植物がアリ植物となった原因の一つではないかとの見方もある。
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