アメーバ経営
その企業における社員を数人のアメーバと呼ばれるグループに分け、各アメーバごとに採算を緻密に管理し、時間当たりの採算の最大化を目指す経営体制。京セラの創業者である稲盛和夫氏が生み出した経営手法である。
アメーバ経営の目的は大きく分けて3つあるとされている。1つは少人数のグループに分けることで、市場の変動に迅速かつ円滑に対応できる部門別の採算管理を行うこと。2つ目は、各アメーバを率いるリーダーを選定し、そのアメーバの経営を委ねることで、経営者意識を持つリーダーを育成すること。3つ目は、アメーバごとに目標やノルマを立てることで、社員全員が自主的に経営に参加する意識を持った全員参加型の経営を行うことである。
社内を各アメーバに分けることで、いわば中小企業の連合体のように会社が成立するとされている。
2013年現在、京セラ以外にもカプコンや日本航空などをはじめとする300以上がアメーバ経営を導入しているとされている。
関連サイト:
アメーバ経営について - KAZUO INAMORI Official site
アメーバ経営
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/21 04:13 UTC 版)
アメーバ経営(アメーバけいえい)は、現京セラ名誉会長・稲盛和夫が考案し、自身が自ら創業した京セラ、および第二電電(DDI、現・KDDI)などで適用されている管理会計手法である[1]。
概要
企業の人員を特定の項目ごとに6~7人の小集団(アメーバ)に分類する。アメーバごとに「時間当たり採算=(売り上げ-経費)÷労働時間」を算出し、アメーバごとに時間当たり採算の最大化を図る。時間当たり採算の目標値を月次、年次で策定。目標値に到達させるための汎用性のある方法として挙げられている「労働時間短縮」やアメーバごとに適用させた「売り上げ増加策」を実行に移して目標達成を目指す[2]。
利点
- メンバーの数が少なく、成果が数字にすぐに表れるので、当事者意識を引き出しやすい
- 計数管理能力を備えたリーダーを育成しやすい
- アメーバの採算評価指標が統一されているため、アメーバ間の競争を引き出しやすい
欠点
- アメーバが自らの採算にこだわりすぎると、会社全体よりアメーバだけの利益を追求してしまう
- 国家レベルで云うと、「国益」よりも「省益」という「セクショナリズム」に陥りやすい
- 「時間当たり採算」の計算には意外と手間がかかる。特に経費を公正に計算しなければ、適正な採算評価ができない
採用企業
京セラやKDDI、日本航空以外でも、稲盛和夫を信奉するベンチャー経営者を擁する企業での導入が目立つ。京セラ子会社の京セラコミュニケーションシステムが、企業向けにアメーバ経営導入コンサルティングを行っている。
脚注・出典
- ^ a b 「年商2倍の成長支えたアメーバ経営手法の改善で利益率を向上」『日経情報ストラテジー』2007年7月26日、152頁。
- ^ 武藤, 泰明『持株会社経営の実際』日本経済新聞出版社、2007年10月1日、日経文庫頁。ISBN 978-4-532-11159-5 。
- ^ カプコンの「新」アメーバ経営、ゲーム業界でヒット連発の秘密 - 東洋経済 2009年7月30日
参考文献
- 『アメーバ経営 ひとりひとりの社員が主役』日本経済新聞社、2006年、ISBN 978-4532312954。
関連項目
外部リンク
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