アイパターン上の現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/05 02:44 UTC 版)
アイパターンとは、実際の信号のサンプルをシンボルクロックをトリガにして多数重ね合わせ、信号の特徴をグラフィカルに提示するものである。下図の左側は、1 を 振幅 -1 で表し 0 を振幅 +1 で表しているバイナリデジタル変調(PSK)システムのアイパターンである。現在のサンプリング時刻は画像の真ん中であり、その1つ前と1つ後のサンプリング時刻が画像の端にある。あるサンプリング時刻から次のサンプリング時刻への遷移(1 から 0、1 から 1 など)が図から明確に読み取れる。 ノイズマージンとは、受信側で誤りを生じるノイズのしきい値である。ノイズマージンとは同じサンプリング時点での信号と振幅 0 の差異であり、言い換えればサンプリング時点で信号の振幅が振幅 0 からどれだけ遠いかである。信号が正しく解釈されるには、0 から 1 への遷移と 1 から 0 への遷移といった2つの時点の間のいずれかの時点でサンプリングが行われなければならない。従って、1 と 0 の振幅がはっきり離れていれば誤りが発生する可能性は小さくなり、受信側でサンプリング時点のタイミングがどうなっていても問題なくなる。 同じシステムで符号間干渉が発生しているときのアイパターンを下図の右側で示す。遅延し歪みを伴った信号を受信するため、信号遷移の定義が失われている。ノイズマージンが小さくなり、信号を正しくサンプリングできる時点も狭まる。このため、全体として性能が悪化する(すなわち、符号誤り率が増大する)。 バイナリPSKシステムのアイパターン 同じシステムで符号間干渉が発生しているときのアイパターン
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