より高次元への一般化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:21 UTC 版)
「ローレンツ群」の記事における「より高次元への一般化」の解説
ローレンツ群の概念は任意の次元の時空に対して自然に一般化することができる。数学的には、n+1-次元ミンコフスキー時空のローレンツ群は Rn+1 上の線形変換のうち、次の二次形式を普遍に保つ変換の成す O(n, 1)(もしくは O(1, n))である。 ( x 1 , x 2 , … , x n , x n + 1 ) ↦ x 1 2 + x 2 2 + ⋯ + x n 2 − x n + 1 2 {\displaystyle (x_{1},x_{2},\ldots ,x_{n},x_{n+1})\mapsto x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+\cdots +x_{n}^{2}-x_{n+1}^{2}} 四次元ローレンツ群 (n = 3) の性質の多くが直ちに任意の n へ拡張できる。たとえば、ローレンツ群 O(n, 1) は四つの連結成分を持ち、n+1-次元ミンコフスキー時空上に (n−1)-次元天球上の共形変換として作用する。単位元成分 SO+(n, 1) は n-次元双曲空間 Hn 上の SO(n)-束である。 n = 1 や n = 2 の低次元のものは、物理的な n = 3 の場合の「トイモデル」としてしばしば有用である。対して、より高次元のものは弦理論などの隠された次元の存在を仮定する物理理論においてもちいられる。ローレンツ群 O(n, 1) は等質空間 O(n, 1)/O(n−1, 1) として実現される n-次元ド・ジッター空間 dSn の等長群でもある。特に、O(4, 1) は宇宙モデルのひとつド・ジッター宇宙 dS4 の等長群である。
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