張形
- 張形。陰茎の形に造りし淫具。金属、牛角、鼈甲、木、竹等にて製し、昔禁裏、大奥の女中、長局の類ひそかに之を玩用せしもの。「ごようもの」「うし」参照。「とのゐ袋」には「張り姿」とあり。「花の幸」に「或は革に漆をぬり或は柔らかなる衣を袋にして藻海苔といふものを入れ或は木にて削り或は金属(かね)にてこしらへ様々の興をぞ催し給ひける」とあり。「痿陰隠逸伝」には「等茎(はりかた)」を帷幕の内にめぐらし」と出で、「女才学絵抄」の狂歌には「湯を綿にしめしてさほの中へつめ温かなるを入れてみるべし」とあり。「犬筑波集」に「あづま路のたが娘とか契るらん逢阪山をこゆるはりかた」とあり。「鎌倉花いくさ」に「おおさつき二人が用ひたる天一棒(はりかた)がまだ御在宅だヤアヤア大そう出してゐるな、ドレまア之をぬいて真実(ほんとう)の棒を入れてやらう」とあれども之は互形なり。「はりかたが出て母親をまたなかせ」「張形を口によせたらどうだらう」「旦那のは蒸篭お次へは張形」「事おかしくも張形へ吉野紙」「握つては太さをはかる張形師」「張形でいまずが如く後家よがり」「張形がないと仲条またはやり」。
- 〔隠〕女子の使用する淫具。
- 女子の使用する性具。
- 男根。女子の陰部の形に作りたる淫具を云ふ。
- 陰茎の形に作りて女子淫情を洩すに用ふるもの。
- 陰茎を形どつた淫具のこと。
- 女子独悦の秘具。つのざいくともいう。〔風流〕
分類 俗語
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