脱硝
【英】: denitration
燃料を燃焼させると、その燃焼排ガスは窒素酸化物(NOx)を含んでいる。この窒素酸化物は燃料に含まれる窒素に由来するもの(fuel NOx)と、燃焼用の空気中の窒素と酸素が高温にさらされることによって生成するもの(thermal NOx)とがある。燃料中の窒素分はその 30 %程度がNOx に変換するといわれている。また、thermal NOx は燃焼温度が高温なほど、また燃焼ガス中の酸素濃度が大きいほど多くなる。NOx は大気汚染の原因となるとの認定により、国による濃度規制および一部地方自治体による総量規制が制定されているため、その低減が必要とされている。NOx を低減する方法としては、(1) 燃料中の窒素分を減らす、(2) 燃焼に際して NOx の生成を抑制する、(3) 発生した NOx を除去するなどがある。一般に、直留残油ベースの重油中には数千 ppm の窒素分を含んでいるが、これは残油脱硫の際の副反応として 50 %程度除去することは可能である。燃焼に際して thermal NOx の生成を抑制する方法としては、排ガス再循環や空気濃淡燃焼(二段燃焼)法などがある。発生した NOx を低減する方法としては、無触媒または触媒存在下で、還元剤にアンモニアを用いて NOxをN2(窒素)に戻すことにより除去するのが一般的である。 |

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