せん断強度との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/03 22:19 UTC 版)
1930年代に、材料の理論的せん断強度をオロワンが求めている。 τ m = G 2 π {\displaystyle \tau _{m}={\frac {G}{2\pi }}} ここで、Gは剛性率、τmはせん断強度である。 金属の剛性率が約20-150 GPaであるため理論的せん断強度は数~数10 GPaとなるのに対し、実際のせん断強度は 0.5-10 MPaにすぎない。オロワンらによって金属の転位の概念が導入された。これにより、金属結晶の強度の議論が理論的に可能になり、さらにはその後確立された「破壊力学」とセットにした材料強度学への発展と繋がっている。 せん断による塑性変形を転位に運動によるとし、せん断強度を再評価すると τ m = 2 G 1 − ν exp ( − 2 π a ( 1 − ν ) b ) {\displaystyle \tau _{m}={\frac {2G}{1-\nu }}\exp \left(-{\frac {2\pi a}{(1-\nu )b}}\right)} で与えられ、実際の変形に要する応力に近くなる。ここで ν はポアソン比、b はバーガース・ベクトル、a はすべり面の原子間距離である。この τm をパイエルス・ナバロ応力という。
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