バーガースベクトル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/15 06:53 UTC 版)
材料工学において、バーガース・ベクトル(英語: Burgers vector)とは結晶格子内の転位に起因する格子ひずみの大きさおよび方向を表すベクトル。しばしば b と書かれる。その名はオランダの物理学者ヤン・バーガースにちなむ[1]。
ベクトルの大きさおよび方向は、転位なしの状態(完全結晶)を最初に考えると理解しやすい。この完全結晶の構造で、長さと幅が単位格子の辺の長さ(aとする)の整数倍の矩形を描いてみる。そのあと矩形の内側に転位を導入し、結晶を変形させることを考える。描いた転位点を囲む矩形はこの変形によって一部が切断されることになるが、この切断された線分を繋ぐベクトルがバーガースベクトルである[2]。
ベクトルの方向は転位面に依存し、転位面は通常、最密格子の結晶面の1つである。大きさは通常次式で表される(BCC、FCC格子のみ)
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