耐性や精神依存が生じた状態で、多量の依存性薬物を連用するようになると、やがて身体依存が形成されます。もともと体は、依存性薬物を摂取した状態では呼吸や脈拍などの機能に影響を受けます。ところが、身体依存の状態になると、薬物を摂取した状態が普通の状態であると身体がみなすようになり、その薬物が体内にあっても身体が正常に機能するようになります。そして、逆に、薬物が切れると離脱症状と呼ばれる症状が現れるようになります。例えば、アルコールに対して身体依存が形成されると、アルコールが切れてくるときに脈拍が速くなったり、発汗、イライラ、手が震えたりする症状が現れるようになります。このような状態になると、離脱症状が現れないようにするために薬物を摂取するようになり、なかなか薬物がやめられず、さらに身体依存が悪化していく悪循環に陥ります。