しきたりと偽善
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:19 UTC 版)
前述のように、人類は意識を持つよりも先に言語を獲得していた。言語でミームをやりとりできると、「性のしきたり」のミームが生まれた。男性は妻を他の男にとられないように、女性は夫が他の女の所へ行かないようにするミームである。また、祖父母にとっては孫がちゃんと育てられるようにするミームが大事になる。こうした「性のしきたり」のミームは、人を自分の性的衝動のまま行動させないようにし、ある人達と性的関係を持つことを禁じる。 利己的遺伝子にとって自己複製を増やす効果的な戦略は、しきたりを広めた上での偽善行為である。不貞行為をしてはならないという「性のしきたり」のミームを広めれば、自分の結婚相手を他の人に奪われないようにできる。そうした上で、自分は不貞を働くという偽善行為をすれば、ライバルを減らした上で自分のDNAを多く複製できる。 これは人間の、「偽善」の進化論的説明であるが、日本語で言う「偽善」では少し意味が違ってしまう。要するに、称賛されるような道徳的なことを公言しておきながら、そのルールを無視する人間の行動についての説明である。こうした行動は性に関することで多い。
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