クラトン盆地
【英】: cratonic basin
安定地塊上に形成された堆積盆地{たいせきぼんち}で、クラトン内盆地(intracratonic basin)ともいう。これは、(1) 基盤が下方に撓{たわ}む部分に形成された盆地、(2) 地溝ないし半地溝に対応する内陸地溝盆地、および (3) これら両者が組み合わさった内陸複合盆地に区分される。(1) に属するものには、アフリカ大陸の内陸盆地や、米国のイリノイ、ミシガン、ウィリストンなどの盆地があり、単一堆積輪廻{たんいつたいせきりんね}の陸棚~内湾相を示す古生界が主体を成し、盆地内の基盤隆起部が主なトラップ形成の場となるが、巨大油・ガス田は少ない。(2) には、スエズ地溝のような単一の狭長なリフト帯からリビアのシルテ盆地のような、いくつかの地塁・地溝から成る広大な盆地までいろいろな規模のものがあり、主として地塁や傾動地塊に伴う構造トラップや礁トラップが発達し、幾つかの巨大油・ガス田が存在する。(3) には、西テキサス・ニューメキシコの二畳系盆地やボルガ・ウラル盆地およびオーストラリア中央部盆地の亜大陸性および劣地向斜型のものからロッキー山間盆地のような小規模のものまで数多く見られ、一般に炭酸塩岩から成る陸棚堆積物と周辺の造山帯からもたらされる陸源堆積物とで構成される多堆積輪ねを示す地層から成り、主なトラップとしては、礁構造や基盤隆起部がある。(3) には数多くの巨大油・ガス田が存在するが、その 6 割以上はガス田である。 |

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