きり
柄を手で揉み込んで、木材に小さい穴をあけるための工具。釘を打つ前に穴をあけて、釘道をつくるなどに用いられる。特に竹に釘を打つ場合、直接打ちつけると、繊維に沿って竹が割れてしまうので、必ずキリで穴をあけてから、そこに釘を打つようにする。なお、最近では電動ドリルを用いることが多い。 キリには刃先の形によって以下のような種類がある。 ●四つ目ギリ:刃先の断面が正方形。深く揉み込むほどに穴が大きくなる。 ●三つ目ギリ:刃先が太い三角キリ。一定の大きさの穴を深くあけるときに使われる。 ●つぼギリ:柔らかめの木材に、大きな穴をあけるためのキリで、刃先が半円状になっている。最初に刃先で円を描いてから揉み始める。 ●ねずみ歯ギリ:刃先が3つに分かれているキリ。堅い木材や竹に大きい穴をあけるのに用いる。 以上のような手揉みキリのほかに、ハンドドリルやクリックボールなどといった手動式の機械ドリルも多く使われている。 5.くり針 建仁寺垣、御簾垣などの遮蔽垣の立子や組子を、胴縁にシュロ縄で結束するときや、押縁、玉縁を取りつけて結束するときに用いる鈎形の針。太い針金でつくることも可能。 くり針の穴にシュロ縄を結びつけ、透き間なく並ぶ立子(組子)の間に針を通して、シュロ縄を垣の表側から裏側へ回し、また表側に回して結束する作業をスムーズに行うことができる。
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