おんまくとは? わかりやすく解説

おんまく

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/25 11:14 UTC 版)

おんまく
Onmaku
おんまく花火(今治市)
概要
通称、略称 おんまく
正式名称 今治市民のまつり「おんまく」
開催時期

【おんまく】      8月の第一土曜日・日曜日

【おんまく花火】     2日目(日曜日)の20:00〜20:55

(延期の場合は8月11日【祝日】の同時間)
初回開催 1998年
会場・場所

【おんまく】     今治港・広小路・商店街など

【おんまく花火】 

今治港
打ち上げ数 (年によって増加などの変動あり)10,000発
主催 今治市民のまつり振興会
花火取扱

(2025年)

北陸火工株式会社[1]
人出 (おんまく花火は約24万人)約28万人(2025年)
外部リンク おんまく
テンプレートを表示

おんまくは、愛媛県今治市1998年から行われている祭り。8月の第一土曜日・日曜日の2日間行われており、今治の夏をさらに熱くしている。おんまく花火は、2日目(日曜日)の夜に実施される。

概要

毎年8月の第一土曜日・日曜日に愛媛県今治市今治港とその周辺を中心に踊りやダンス、花火などの多彩なイベントが行われている。(2020・2021年は中止)おんまくの1日目は本祭り、2日目は後祭りとされている。おんまく花火は2日目の後祭り(日曜日)に実施されており、延期の場合は8月11日(祝日)の同時間に実施される。毎年テーマが決められており、ポスターも制作されている。おんまくが近づくと、広小路などにはおんまくの提灯が飾られたり、商店街におんまくの横断幕がつけられたり、市内各地におんまくのポスターが貼られたりとおんまくムードが高まっていく。


今治市では毎年7月に「バリ祭」、10月に「みなと祭り」が開催されていたが、実施主体が青年会議所と商工会議所に分かれており、対外的な知名度も低い事から市民参加型の祭りを目指して統合した[2]

「おんまく」という祭りの名前は、今治の方言で「めちゃくちゃ」、「いっぱい」、「思いっきり」から来ている。

主要会場

主な開催イベントと詳しい説明

広小路で行われる市民参加型の踊りやダンスの他、地域住民などによる太鼓演奏や継ぎ獅子、自衛隊車両展示、花火など多彩なイベントが行われている。また、姉妹都市である尾道市太田市との交流イベントや模擬店なども行われている。また2014年より、港湾地域ではタミヤのRCカーおよびミニ四駆(ジャパンカップ)のイベントが行われている(ただし2014年は荒天でこれらを含む多くのイベントが中止となったため、実質2015年からである。また2017年はJカップが1週間前にずらされた)。

踊り

軽快なリズムの中、自由な振り付けで踊る「ダンスバリサイ」、今治の祭りに欠かせない音頭として踊り継がれている「木山・今治お祭り音頭」の2種類の踊りがあり、地元有名企業や学生などが多くの連を成して参加している[3]

ダンスバリサイでは、チト河内作曲による軽快なリズムとエスニックなメロディーの中、各連が自由な振り付けで踊っている。衣装の一部に必ず、今治市の特産品であるタオルを使う事がルールとなっている[3]

木山・今治お祭り音頭では、木山音頭と今治お祭り音頭という伝統的な踊りを交互に踊りながら練り歩いている。木山音頭は慶長7年(1602年)に始まり、今治城築城に当たり城人夫達の慰労と普請の能率を上げるために作られた踊りが、後世今治地方盆踊りの木山音頭になったと言われている[3]。今治お祭り音頭は、今治市制60周年を記念して歌詞を広く市民公募により、選び作られたもので現代的で市民が親しみやすく、楽しく踊れる郷土の民謡として今治の祭りに欠かせぬ音頭として踊り継がれている[3]

2018年にはバリサイに29連、木山・今治お祭り音頭に49連、総勢5,000人以上が参加した[3]

また、バリィさん踊り隊も夜の部の踊りに参加し、土曜日の午後にはバリィさんも出演するほか、バリィさんの物販ブースも設けられる。(土曜日の午後のみ)

おんまく花火

おんまく2日目である日曜日(延期の場合は8月11日【祝日】)の20:00〜20:55におんまくのフィナーレとして毎年約10,000発(年によって増加などの変動あり)の花火が打ち上げられる。


おんまく花火は、打ち上げ場所と会場との距離が近いため、花火の迫力を間近で感じることができる。打ち上げ場所が海の防波堤のため、扇打ちや斜め打ちなどのダイナミックな演出も見られる。また、尺玉などの大玉もたくさん打ち上げられ、迫力のある綺麗な花火を堪能することができる。今治おんまく名物となっているフィナーレの尺玉100連発では、クライマックスに、大迫力の冠菊(垂れ下がる花火)の大連発が行われ、尺玉もたくさん打ち上げられる。そして、毎年最後には尺玉を含む花火の一斉打ちが行われ、今年のおんまくに幕を閉じる。(2025年は尺玉だけで見ると20発ほど一斉打ちされた)


おんまく花火の打ち上げ数は、第19回目の2016年から毎年10,000発以上で、2025年は10,000発を打ち上げた。第20回の2017年にはおんまく開催20回目と愛媛国体を記念して、過去最多の約14,000発(第20回おんまく花火12,000発+えひめ国体2000発)が打ち上げられた。[4]。その年から、おんまく花火のフィナーレ、尺玉100連発がパワーアップした。なお、おんまくが初めて開催された1998年のおんまく花火の打ち上げ数は、3,500発だった。[5]


おんまく花火の打ち上げ時間は、2023年(第26回)までは20:00〜21:00だったが、花火代高騰などの影響で、2024年(第27回)からは20:00〜20:55と、5分程度短縮された。


おんまく花火の花火業者は、?年〜2014年が日本橋丸玉屋、2015年〜2021年(2020年・2021年は中止)が北陸火工、2022年〜2024年がアルプス煙火工業、そして、2025年は約6年ぶりとなる北陸火工になっている。


おんまくでは、毎年テーマが決められており、おんまく花火では、そのテーマに沿った花火が打ち上げられている。2025年のテーマは「PASSION〜情熱〜」。


おんまく花火では、はーばりー(みなと交流センター)から東側に有料観覧席が設けられており、おんまく花火を特等席でゆっくりと見ることができるようになっている。さらに、ふるさと納税返礼品として、おんまく花火を今治城の天守閣から見ることができる特別観覧席が6組(ペア)分用意されている。なお、おんまく花火は、2022年(第25回)からおんまくの公式YouTubeでライブ配信がされるようになり、室内からでも楽しめるようになった。


近年では、おんまくの開催日が近づくと、FMラヂオバリバリ(今治コミュニティ放送)で今年のおんまく花火の見どころを担当してくださる花火師の方に伺うというものが放送され、Spotifyやpodcastでいつでも聴けるようになっている。


おんまく花火の見物客は2025年で約24万人と今治市の人口(15万人弱)より多く、花火の開始前と終了後は今治の市街地渋滞JR四国今治駅などの公共交通機関も混雑する。


おんまく花火では、地元企業の寄付や有料観覧席の他、おんまくが近づく頃に今治市内各地の店舗や公共施設などに花火募金を設置し市民からの寄付を募っている。最近では、ネットでPayPayやクレジットカードなどを使った募金も実施されている。


2026年には、おんまく花火も舞台の一つになっている凪良ゆう作の恋愛小説、「汝、星のごとく」が映画化し、広瀬すず横浜流星のダブル主演で公開予定となっている。

アクセス

※臨時便有り

  • 最寄バス停
    • せとうちバス今治バスセンター(ただし道路を通行止めにする関係で時間帯によっては経由しない)、今治市役所前

交通規制

今治市役所から今治港を結ぶ通りや今治港周辺が時間帯によって、交通規制がかけられる。そのため、路線バスや高速バスの一部が迂回する経路をとる。また、おんまく花火時には今治港を発着するフェリーの一部が欠航する。

参考文献

  • おんまくパンフレット 2009年版
  • おんまく公式サイト
  • Yahooニュース
  • 愛媛新聞

など

脚注

  1. ^ 花火の裏話 - 今治市民のまつり「おんまく」、2025年8月3日閲覧。
  2. ^ 『愛媛新聞』1998年3月6日朝刊「今治の市民参加型祭り 今夏実施へ初総会 地元振興会」
  3. ^ a b c d e 今治市民がつくる夏祭り「おんまく」を、思いっきり楽しもう。 - 今治タオル公式ブランドサイト、2025年8月3日閲覧。
  4. ^ 『愛媛新聞』2017年8月14日朝刊「港町染める光の大輪 今治でおんまく」
  5. ^ 『愛媛新聞』1998年8月13日朝刊「港に『おんまく』初花火 去年の3倍、3500発 今治」

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「おんまく」の関連用語

おんまくのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



おんまくのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのおんまく (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS