『BIRTH』のあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 05:46 UTC 版)
「記憶鮮明」の記事における「『BIRTH』のあらすじ」の解説
ヴァスは、人口1億のこの星の住人によくある記憶障害があり過去のことを覚えていなかったが、身分証もあり住民登録もされていたため、何一つ不自由なく暮らしていた。しかし、ヴァスは、ある夜から毎晩のように婚約者のある女性「ライカ」と恋に落ち、駆け落ちの約束をした夢を見る。駆け落ちを約束したホテルが実在することを知ったヴァスは、辺鄙な雪国にあるそのホテルを訪れた。 ホテルの支配人は、ヴァスの事は知らないが事情は良く知っており、「サザム」という名乗っていないヴァスの本名でさえも知っていた。そして、ヴァスはホテルで待っていた「ライカ」と名乗る女性と一夜を共にし、真実を打ち明けられる。 80年前におきた星間戦争で、かれらの母星シアも植民星も壊滅状態になった。母星シアからとても遠い移民星であったこの星は戦禍を免れたが、当時の住民はわずかに300人(その内、女性は100人以下)。彼らの選択した方法は、クローン人間の作成だった。当時の技術でクローン人間の肉体の作成は問題なく行えたが、記憶の再生には難があった。しかし、それを逆手にとって、状況を作り上げることでクローン人間たちは記憶が無いことを不思議にも思わず、生き延びるために誰もが必死に働くようになった。しかし、稀にオリジナルの人物の記憶の一部だけを思い出すクローン人間がいる。ヴァスのように。 「ライカ」もまた、オリジナルのライカから作られたクローン人間であり、ホテルを訪れてくる様々なサザムたちに説明を行う仕事を国から強制されていたのだった。 ヴァスは、他の多くのサザムたちがそうしたように絶望した。事情を知っているホテルの支配人から拳銃を渡されたヴァスは1人で雪の中へ出て行った。 翌朝、ホテルに戻ってきたヴァスは「ライカ」に拳銃を突きつける。 数日後、別の「サザム」がホテルを訪れてきたが、支配人は「サザム」が捜している「ライカ」が今はいないことを告げる。
※この「『BIRTH』のあらすじ」の解説は、「記憶鮮明」の解説の一部です。
「『BIRTH』のあらすじ」を含む「記憶鮮明」の記事については、「記憶鮮明」の概要を参照ください。
- 『BIRTH』のあらすじのページへのリンク