『枕草子』に見える『狛野物語』
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「狛野物語」の記事における「『枕草子』に見える『狛野物語』」の解説
清少納言は『枕草子』の「物語は」の段(日本古典文学大系第212段)で『狛野物語』の中で印象に残った場面について以下のように述べている。 こまのの物語は、ふるきかはほり探し出でてもて行きしが、をかしきなり。 — 『枕草子』・第212段(日本古典文学大系) 「かはほり」(蝙蝠)は扇子のこと。清少納言は『狛野物語』作者の文章力やストーリーの組み立て方については「成信の中将は」の段(大系第292段)では、以下のように余り高く評価していないが「物語は」の段でも印象的であったと述べている場面について再び言及している。なお、主人公が作中で詠んだとされる「もと見し駒に」の引用元となった和歌については不詳である。 こまのの物語は何ばかりをかしきこともなく、言葉も古めき見どころ多からぬも、月に昔を思ひ出でて、むしばみたるかはほり取り出でて「もとみしこまに」と言ひて、たづねたるがあはれなるなり。『狛野物語』は話の筋が凡庸で、言葉遣いも古臭く大して見栄えのする場面は無いが、(主人公が)月を見て昔のことを思い出し、虫食いの目立つ扇子を取り出して「もと見し駒に」の歌を詠み、(昔の恋人を)尋ねた場面は印象的だった。 — 『枕草子』・第292段(日本古典文学大系)
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