『クー・フーリンの死 (海と戦うクー・フーリン) 』
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「コンラ」の記事における「『クー・フーリンの死 (海と戦うクー・フーリン) 』」の解説
『クー・フーリンの死』はW.B.イェイツによる再話。イェイツによれば、先に触れた "Myths and Folk Tales of Ireland" に採取された民話を主な下敷きとしている。表題通り結末でクー・フーリンは死亡するが、後に『海と戦うクー・フーリン』 ("Cuchulain's Fight with the Sea") と改題された際に生死に関する描写が除去されるなど様々な変更がなされた。この節の記述は改題前の『クー・フーリンの死』の描写に基づく。この再話ではクー・フーリンに殺される彼の息子はフィンモール (Finmole) という名であり、母親は『アイフェの一人息子の最期』では別の立場で登場したエウェルである。 長年託っていた夫クー・フーリンからの不遇により、エウェルは悪知恵の働く毒婦へと変貌してしまっていた。彼女は息子フィンモールが成長しクー・フーリンが年老いたことから、復讐の条件が整った事を悟る。エウェルは父親の顔を知らないフィンモールに対し、父子が共に「剣を取った者にしか名を名乗ってはならない」という誓いを立てていることを利用すればクー・フーリンを赤枝騎士団の中から探し出せると教え、彼を殺害するよう命じる。決闘の末クー・フーリンは勝利を収めるが、殺害した相手が息子のフィンモールだったことを知ると心痛に沈み込んでしまった。クー・フーリンの主コンホヴァル王は、クー・フーリンが三日間の沈黙の後に怒号と共に自分たちを虐殺するだろう事を察し、配下のドルイド達に儀式を行わせて幻術を掛け、彼を海と戦うよう仕向けた。王の予想通りクー・フーリンは沈黙の後幻術の中で四日間海と戦い、この世を去った。
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