「生けるコスモス」とヨーロッパ文明―D・H・ロレンスの本質と作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 14:23 UTC 版)
「寺田建比古」の記事における「「生けるコスモス」とヨーロッパ文明―D・H・ロレンスの本質と作品」の解説
伊藤誓(東京都立大学教授)- ヨーロッパ文明の人間中心主義の原動力は、そもそもの始めからニヒリズムの原動力に他ならなかったと看破する著者が、2500年の精神史の中でロレンスの文学と思想の現代的意義を追求する文字通りの大著。40年前に出版されなかったのは日本の出版文化の貧しさであり、学会にとっては大いなる不幸であったが、現在の世紀末的混迷の中でこそ、切実にロレンスの苦闘と苦悩を本書により追体験できるとも考えられる。ロレンスの研究書がおもしろくないのは論じる側にそれだけの器量と情熱と信念がないからである。作家のせいではない。2500年の精神史の中でヨーロッパ文明が、なぜ、崩壊する運命を辿るのかを徹底的に追求した歴史的名著。
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