「万世一系」論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 03:59 UTC 版)
明治時代の多くの知識人は、皇室の永続性というドグマを受け入れ、誇りとしており、福澤諭吉も、皇室の永続性は近代化を推進する要素だと見なしていた。『文明論之概略』の「第2章 西洋の文明を目的とする事」の一節にて、福澤諭吉は以下の持論を展開している。 我国の皇統は国体とともに連綿(れんめん)として外国に比類なし。……君[と]国[との]並立の国体といいて可なり。しかりといえども……これを墨守(ぼくしゅ)してしりぞくは、これを活用して進むにしかず。……君国並立の貴(とうと)き由縁(ゆえん)は、古来わが国に固有なるがゆえに貴きにあらず。これを維持してわが政権をたもち、わが文明を進むべきがゆえに貴きなり。 — 福澤諭吉『文明論之概略』 ただ、国の紀元についてのドグマは、その信奉を強制されていたわけではない。日本国外でだが、新渡戸稲造は公式の場で紀元の正確さに疑問を呈している。
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