「ボール箱」が収録されている短編集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 22:03 UTC 版)
「ボール箱」の記事における「「ボール箱」が収録されている短編集」の解説
「ボール箱」はその内容が不倫を取り扱ったものであり、当時の倫理観とは相容れないものであった。そのため、風紀を乱すと考えたドイル自身によって削除され、イギリスで発行された第2短編集『シャーロック・ホームズの思い出』には収録されなかった。アメリカでハーパー社から刊行された『シャーロック・ホームズの思い出』の初版には収録されていたが、ドイルの注文によって回収され、「ボール箱」を削除した第2版が発行された。その後、社会の倫理観の変化などもあってドイルが許可を出し、1917年の第4短編集『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』に収録された。日本語版にもこの混乱が影響を与え、出版社によって異なる短編集に収録されている。 「ボール箱」の冒頭、ホームズがワトスンの些細な動作からその心中を解析して見せるくだりは、版によっては「入院患者」に転載されている。これは「ボール箱」を削除した際に、この場面を惜しんだドイルが「入院患者」へ「入院」させたことによる。このため、アメリカのオムニバス版では「ボール箱」と「入院患者」の両方に同じ場面が存在する。
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